デリバティブ取引全般

想定元本(Notional Amount)

金利スワップ等において金利を計算するために設定された名目上の元本。金利キャップ・フロアの場合も同じ。金利スワップ等は元本の異動がないことからこう呼ばれます。

TIBOR

Tokyo Inter Bank Offered Rateの略で東京市場における銀行間の資金の出し手レート。1週間ものから1年ものまで公表されています。
種類として全銀協が公表している日本円TIBOR、ユーロ円TIBOR等があります。

LIBOR

London Inter Bank Offered Rateの略でロンドンの銀行間資金取引市場の資金の出し手レート。1週間ものから1年ものまで公表されており、日本円の他、他通貨のものもあります。ユーロ市場での貸出の基準金利として利用されているほか、変動利付債・金利スワップ・通貨スワップ等の指標としても利用されています。

イールドカーブ (Yield Curve)

利回り曲線のこと。ある一時点において横軸に期間、縦軸に金利水準を取り、対応点を結んだ曲線。長期金利が短期金利より高い場合(右上がり)を順イールド、その逆の場合を逆イールドと呼びます。金融市場の参加者が今後金利は上昇すると予想している場合に順イールドとなり、参加者が今後金利は下降すると予想している場合に逆イールドが形成されます。

インディケーション・レート (Indication Rate)・ファーム・レート(Firm Rate)

市場レートを基に計算した参考レートをインディケーションレートと呼び、正式約定可能レートをファームレートといいます。インディケーションレートでは約定ができません。なお、市場は常に変動しているので、それぞれのレートが有効な時間はきわめて限定的です。

オファード・レート(Offered Rate)・ビッド・レート (Bid Rate) ・ミッド・レート (Mid Rate)

銀行間取引市場で資金の出し手あるいは外国為替の売り手が呈示するレートをオファードレート、逆に資金の取り手あるいは外国為替の買い手の呈示するレートをビッドレートといいます。オファードレートとビッドレートの中間値をミッドレートといいます。

ベーシス・ポイント・バリュー(Basis Point Value:BPV)

金利が1ベーシスポイント(1%の100分の1。1ベーシスポイント(bp)は0.01%)変化したときの商品の現在価値の変化額。商品の金利感応度を示します。

現在価値 (Present Value)・時価

将来のキャッシュフローを市場金利で割り引いた現時点での価値。デリバティブ取引の時価は、キャッシュフローごとの現在価値の合計値になります。
現在価値=キャッシュフロー×ディスカウントファクター(割引率)で算出されます。

(計算例)

1年金利:0.25%
1年のディスカウントファクター:1/(1+0.25%)=0.997506
よって、1年後の100万円の現在価値は
100万円 × (1/(1+0.25%))
=997,506 円

インプライド・フォワード・レート(Implied Forward Rate)

金利スワップにおける、変動金利サイドの計算については、将来発生するCFを計算するためのレートが必要であり、このレートをインプライド・フォワード・レートといいます。マーケットで公表されている金利を用いて算出された先々の理論先物金利を指します。
例えば、下記の例にて1年後にスタートする1年間のレート(α)は以下のとおりとなります。

1年金利:0.25%、2年金利:0.50%
(1+0.25%)×(1+α%)=(1+0.50%)2
α=0.75%

デリバティブ基本契約書(Derivatives Master Agreement)

デリバティブ取引の契約書の一種。一般的に和文にて、基本的な事項(例えば、支払方法、解約事由、譲渡について等)について記載された契約書で、デリバティブ当事者が双方に調印をします。本契約書を締結することで取引の締結をお約束するものではなく、個々の取引締結に際しては、都度「約定確認書」を締結します。
この他の契約書としては、主に金融機関のマーケットで一般的に利用されている、英語のISDA・マスター・アグリーメント等があります。

グロス決済 (Gross Payment)・ネット決済(Net Payment)

スワップ取引で金利の交換が行われる際、互いに支払うべき金額を別々に決済する方法をグロス決済といい、互いに支払うべき金額をその差額にて決済する方法をネット決済といいます。

金利スワップ

金利スワップ(Interest Swap)

同一の通貨における異種類の金利を交換する取引。元本交換は行われず、金利のみを交換する取引で、固定金利と変動金利(LIBOR、TIBORなどの指標金利)を交換する取引が一般的です。

円−円スワップ(Yen Swap)

円貨ベースの金利スワップ取引。固定金利と変動金利(LIBOR、TIBOR等)を交換する取引が一般的であり、長・短期プライムレートを指標とする長Pスワップ・短Pスワップや、長期金利(例えば、5年のスワップレート等)を指標とするCMSスワップ等も取引されています。

コーラブル・スワップ (Callable Swap)

通常の金利スワップに、当事者の一方があらかじめ定めた期日に当該スワップ取引を終了させるオプションが付加されたスワップ。
オプションの保有者は、取引を終了させるオプションを保有するため、通常のスワップよりも支払う金利(コスト)が高くなります。
一般的に、権利行使が1回だけのワンタイム型と権利行使が複数回あるバミューダ型の2種類がある。

フォワードスワップ (Forward Swap)

先スタート物のスワップ取引のこと。1年後スタート2年や2年後スタート3年などの先スタートの取引があります。

通貨スワップ(Currency Swap)

金利スワップの一種。異種通貨間での元本および金利を交換する取引。主に外国債券の円コスト確定などのために利用されます。

クーポンスワップ(Coupon Swap)

金利スワップの一種。異なる通貨の金利部分のみを交換します(元本交換のない通貨スワップ)。主に為替の実需のヘッジに利用されます。

ベーシススワップ(Basis Swap)

異種の変動金利どうしを交換するスワップ取引。例えば、LIBORとTIBORを交換する取引や通貨スワップにおいて他通貨のLIBOR同士を交換する取引等があります。

金利オプション・スワップション

キャップ(Cap)

金利オプション取引の一種。金利キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、契約期間中の各金利更改日に基準金利が上限金利を上回った場合、その差額を受け取ることができます。主に変動金利上昇リスクのヘッジ、もしくは利回り向上のために利用されます。

フロア(Floor)

金利オプション取引の一種。金利フロアの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、契約期間中の各金利更改日に基準金利が下限金利を下回った場合、その差額を受け取れることができます。主に、変動金利低下リスクのヘッジ、もしくは調達コストの低減のために利用されます。

カラー (Collar)

キャップの買い・フロアの売りの組み合わせをカラーの買い、その逆をカラーの売りと呼びます。カラーの買いの場合、キャップの買いにフロアの売りを組み合わせているため、基準金利の金利低下メリットを放棄する代わりに、通常のキャップの買いに比べてオプション料を低く押さえることができる取引です。

レンジキャップ (Range Cap)

ストライクレートの異なるキャップの買いと売りを組み合わせた取引です。レンジキャップの買いの場合、キャップの買いにキャップの売りを組み合わせているため、高いストライクレートよりも金利が上昇した場合のキャップ効果を放棄する代わりに、通常の金利キャップの買いに比べてオプション料を低く抑えることができます。

スワップション (Swaption)

スワップ取引を原資産としたオプション取引。種類として、スワップションの買い手が固定金利を受け取る権利を売買する取引(レシーバーズ・スワップション)、固定金利を支払う権利を売買する取引(ペイヤーズ・スワップション)があります。主にコストを確定しつつ、先々の変動金利上昇リスクのヘッジを行う場合、もしくは利回り向上のために利用されます。

ボラティリティ (Volatility)

ある商品(価格)の一定期間の変動を年率換算したもの。価格の変動幅が大きくなるとボラティリティも増大します。一般的にボラティリティが高いとオプション料が増加します。

権利行使 (Exercise)

オプションの買い手が所有する権利を行使し、取引を完結する行為です。オプションの権利行使には、ヨーロピアン型、アメリカン型、バミューダ型の3種類あります。ヨーロピアン型はオプション満期日(もしくはあらかじめ決めた期日)にのみ権利行使できます。アメリカン型は、オプション満期日までの間いつでも権利行使できます。また、バミューダ型は、あらかじめ決めたオプション満期日までの複数回の期日に権利行使できます。

ストライクプライス(権利行使価格)(Strike Price)

オプションの買い手が行使できる原資産の価格。プット・オプションの場合は売却価格、コール・オプションの場合は購入価格を指します。

オプション料(オプション・プレミアム)(Option Premium)

オプション取引の買い手が権利を取得するために売り手に支払う購入代金。プレミアムともいいます。売り手は買い手の権利行使に応じる義務を負っているため、オプション料は売り手が負担するリスク(義務)見合いの対価となります。
オプション料は、一般的に原資産価格、権利行使価格、期間、ボラティリティーおよび金利の5つの要素から算出されます。

通貨オプション

通貨オプション (Currency Option)

ある通貨を一定期日(あるいは一定期間内)にあらかじめ定めた為替レートで買うまたは売る権利を売買する取引。
先物為替予約の場合は、期日に予約レートで当該通貨の交換(受渡し)を行う義務がありますが、通貨オプションの買い手は、権利行使価格での交換が買い手に不利な場合は権利を放棄することができます。一方、売り手は買い手からの権利行使に対して必ず応じる義務を負います。

ノックアウト・オプション(Knock Out Option)

オプション期間内に原資産価格が一定の価格(ノックアウト・プライス)に到達した場合に権利が消滅するオプションのことをいいます。通常のものよりオプション料は安くなります。

ノックイン・オプション (Knock In Option)

オプション期間内に原資産価格が一定の価格(ノックイン・プライス)に到達した場合に権利が発生するオプションのことをいいます。通常のものよりオプション料は安くなります。