ポータブル・ペンション

企業年金制度間の資産の移換を意味する。近年、転職等が増加する中、勤続年数が短い場合等、企業年金の受給資格が得られず一時金での支給となるため、当該転職者にかかる資産額を転職先の企業年金制度に移換して、転職先の会社を退職した時に年金として受給できるようにポータビリティの仕組みが整備された。当初2005年10月、厚生年金基金および確定給付企業年金のポータビリティ、および、確定給付企業年金から確定拠出年金へのポータビリティの仕組みが設けられた。2018年5月には企業の合併・分割等に伴う中小企業退職金共済と確定給付企業年金および企業型確定拠出年金のポータビリティ、確定拠出年金から確定給付企業年金へのポータビリティの拡充が行われた。更に2022年5月からは、解散・終了した確定給付企業年金から個人型確定拠出年金へのポータビリティ、企業型確定拠出年金から企業年金連合会の通算企業年金へのポータビリティも可能となった。移換方法には、「権利義務の移転承継」と「脱退一時金相当額の移換」の2種類があり、前者は、確定給付企業年金および厚生年金基金において、移転元の企業年金制度の権利義務を移転先の企業年金制度へ移転・承継するもので、加入者等期間を通算して支給する。後者は確定拠出年金も含めて、移転元の企業年金制度からの脱退一時金相当額を移転先の企業年金制度へ移換するものである。

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