給付減額

企業年金制度において、給付水準の引下げ等を行う場合に、給付減額という言葉が用いられることがある。厚生年金基金制度では、設立認可基準において「給付設計の変更にあたっては給付水準が下がらないことを原則」とされているが、やむを得ず給付水準が下がる場合には、労使合意や既得権および期待権への配慮など一定の要件を満たすことが求められている。確定給付企業年金制度では、給付減額の理由として、確定給付企業年金法施行規則第5条第2号に「実施事業所の経営状況の悪化又は掛金の額の大幅な上昇により、事業主が掛金を拠出することが困難になると見込まれるため給付の額を減額することがやむを得ないこと」などが規定されている。また、給付減額の手続きについても確定給付企業年金法施行規則第6条に規定されており、加入者全員が対象の場合は、①加入者の3分の1以上で組織する労働組合があるときは、当該労働組合の同意、②加入者の3分の2以上の同意(ただし、加入者の3分の2以上で組織する労働組合があるときは、当該労働組合の同意をもって、これに代えることができる)が必要となり、一部の加入者が対象の場合は、①・②の「加入者」を「給付の額が減額されることとなる加入者」と読み替えます。また、受給権者等については、①全受給権者等に対し、事前に、給付設計の変更に関する十分な説明と意向確認、②給付の額の減額について、受給権者等の3分の2以上の同意、③受給権者等のうち希望する者に対し、当該受給権者等に係る最低積立基準額を一時金として支給する等の措置、などが必要となります。

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