MUFG FUNDOOR
導入企業
インタビュー:
BABY JOB
株式会社さま
(前編)

MUFG FUNDOOR 導入企業インタビュー:BABY JOB株式会社さま(前編)
BABY JOB株式会社さまは、子育て支援サービスを提供するスタートアップ企業であり、2024年12月にTOKYO PRO Market(TPM)へのご上場を果たしました。
TPM初の「売付け」、「MUFG FUNDOOR」利用企業として初のご上場となります。
この上場に至るまでの経緯や三菱UFJ信託銀行(MUTB)の支援、MUFG FUNDOORの活用について、BABY JOB株式会社 財務経理部部長 西尾さま、上田さまにお話を伺いました。
1.IPOを目指した理由とTPM上場の決断
IPOを目指したきっかけ
――設立当初からIPOを目指されていたとのことですが、その背景を教えてください。
西尾さま:はい、当社は設立以来、IPOを目標に掲げていました。最初は子会社である保育所事業での上場を検討していましたが、保育所事業は新規開設を続けないと成長が難しいため、上場のハードルが高いと感じました。そのため、新たに手がけた“手ぶら登園”という紙おむつとおしりふきのサブスクリプションサービスでの上場を目指すことにしました。
――上場を目指すことで期待したメリットは?
西尾さま:信用力の向上が一番大きな理由です。自治体や大手企業との取引において、上場企業であることが取引の信頼性を高める要素になります。また、社会的な企業としての認知度向上も目的の一つでした。

TPM上場の決断と課題
――一般市場ではなく、TPM上場を選択された理由を教えてください。
西尾さま:当初は一般市場を目指していましたが、昨今のIPOマーケットの状況を考慮すると、資金調達の面で難しさがありました。特に、当社は長年赤字が続いており、黒字が定着してから一般市場への上場を目指すことにしました。そのため、まずは信用力向上を目的にTPMへの上場を決断しました。
――TPM上場に対して株主の反応はいかがでしたか。
西尾さま:最初はベンチャーキャピタル(VC)から反対されました。TPMは株式の流動性が低いためです。しかし、公立の保育施設などと取引するためには信用力が不可欠であることを説明し、最終的には理解を得ることができました。
――TPM初の「売付け」はご苦労があったのではないでしょうか。
西尾さま:TPMでの「売付け」は未知の領域で、当社はもちろんのこと、J-Adviserも証券会社も初めての取り組みだったので苦労しました。何とか対応していただける証券会社を見つけられたので実現できました。
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売付け…特定投資家向け売付け勧誘の略。既存株主が特定投資家向けに保有株を譲渡すること。一般市場では「売出し」という。
――TPMでの「売付け」は上場を目指す企業にとって新たな選択肢になり得るのではないでしょうか。
西尾さま:そう思います。VCのファンド期限などで譲受先を見つけるため、事業会社に相談したが、DD(詳細調査)に時間がかかる既存株主も、上場前後で流動化する場合は協力すると言ってくれました。TPM上場時に譲渡するという「売付け」は、他のベンチャー企業にも活用事例が出てくると思われます。

2.上場準備における三菱UFJ信託銀行(MUTB)の支援
MUTBを株主名簿管理人に選定した理由
――上場準備において、MUTBを株主名簿管理人に選定された理由は?
西尾さま:MUTBを選定した理由はいくつかありますが、特に総会運営の支援やストックオプション(SO)発行に関するアドバイスが充実していた点が大きかったですね。また、議事録作成のサポートが手厚かったことや、色々な件に、迅速かつ柔軟に対応してもらえる点も決め手になりました。
MUTBによるIPO支援で役立ったこと
――MUTBの支援で特に役立った点を教えてください。
西尾さま:SO発行において、契約書の作成や発行時期の調整など、実務的なアドバイスを受けられたことが非常に助かりました。また、株主総会の運営や招集通知の作成など、株主総会関連の支援も大きなポイントでした。
――以上、前編ではIPOを目指した背景やTPM上場の決断、そして三菱UFJ信託銀行の支援についてお話を伺いました。後編では、MUFG FUNDOORの活用事例や、上場後の変化、今後の展望についてお伝えします。