高齢化と長寿化が同時に進む社会

「人生100年時代」の到来と言われておりますが、日本は高齢社会に突入して既に20年以上を経過しており、2018年(平成30年)には65歳以上の人口が3,558万人(総人口に占める割合は28.1%)となりました。そして、2025年(令和7年)には新しい局面を迎えることとなります。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来人口推計(平成29年推計)」では、同年に65歳以上の人口は3,677万人(総人口に占める割合は30.0%)になると推計されており、また、いわゆる「団塊の世代(1947年〜1949年出生)」全員が75歳を迎え、後期高齢者が2,180万人になると推計されております。
そして、「高齢化」とともに進展しているのが「長寿化」です。2016年(平成28年)には、男性の平均寿命は80.98歳、女性の平均寿命は87.14歳となり、2065年(令和47年)には同84.95歳、91.35歳になると推計されております。
このように、これからの時代は「高齢化」と「長寿化」が同時に進んでいく時代ということができます。

高齢化・長寿化の同時進行で起こり得る問題とは?

このように、「高齢化」と「長寿化」が同時に進むことで起こり得る問題とは、どのようなことでしょうか。
まず、「長寿化」の進展により、浮き彫りとなってきたのが「平均寿命」と「健康寿命(※1)」との差です。2016年の比較では、健康寿命は男性72.14歳であり約9歳差、女性74.79歳であり約12歳差となっております。

平均寿命と健康寿命 「2019年版高齢社会白書(内閣府)に基づきMUFG相続研究所にて作成」

加齢により身体能力や認知機能が低下していきますが、長寿時代にはこの低下期間が今以上に長く続くことが予想されます。本人の生活・医療・介護や財産管理などについて、どのように備えるか、という問題により向き合う必要があります。

※1健康寿命…日常生活に制限のない期間

(3分0秒)

「資産承継」が難しいといわれる理由は?

高齢化・長寿化を迎え、以前に比べ、ご家族の中で資産承継(贈与・相続等)が話題にのぼることも増えてきましたが、一方で「検討する手順や考え方が分からない」との声も聞こえてまいります。
理由としては、不動産を所有の方、自営業の方、企業オーナーの方など、それぞれが置かれている環境が異なり、資産承継の場面で考えるべき内容も千差万別です。このため、資産承継に向けて、それぞれのご家族が実行しようとしている対策が十分であるか否かの判断や、複数の選択肢の中からそれぞれのご家族に合ったものを選ぶことは容易ではありません。また、法律や税制の改正が関わるとなりますと、専門的にもなり、判断は非常に難しいものとなります。こういった「代替わり」を、円満かつ円滑に進めることができるか、これは日本の家族や社会・経済の将来にも影響を及ぼす可能性があると考えております。

MUFG相続研究所を設立した目的

MUFG相続研究所を設立した目的

こういった諸問題に対して、長年にわたり、信託・相続に携わってきた金融機関として、有益な情報を提供すること等により社会のお役に立ちたいとの考えに至りました。
認知・判断機能の低下に伴い、金融サービスの享受や配偶者・次世代への資産承継において制約を受ける可能性がある中、関係者のサポートを受けつつ、個々人が納得感のある人生を送り、大切な人へ資産や想いを引き継ぐことのできる環境を整えることが、社会全体として必要と考えております。「高齢社会における資産管理」「次世代への円滑な資産承継」という社会的課題の解決に貢献するため、「MUFG相続研究所」は、資産管理・資産承継領域における高品質かつ実践的な情報提供を中立的な立場で行い、高齢者が安心して暮らすことのできる社会の実現を目指してまいります。

MUFG相続研究所の取り組み

長寿化の進展に伴う資産管理面の課題や、民法(相続法)の改正を受け、いっそうの関心が高まっている資産の円滑な世代間移転に関し、現場で活かせる実務的な調査研究を行い、得られた知見を社会全体に還元することで、上記の目的の達成を図って参ります。
具体的には、資産管理・資産承継における不安解消のニーズ・方法などに関する調査研究と、その結果を踏まえた商品開発や各種コンテンツ制作に関する金融機関などへの助言を行います。また、「MUFG相続研究所」のホームページにおいて、調査研究レポートを公表するとともに、シンポジウムやお客さま向けセミナーの開催、書籍発刊などを通じ、広く情報提供を行います。そのほか、タレントの中井貴一さんとの相続についての対談や、相続をテーマにしたテレビ番組への出演など相続をもっと身近に感じてもらうための活動も行っております。

これらの活動を通じて、ご家族が資産管理や資産承継により身近に向き合い、次世代の大切な人への資産や想いを引き継ぐことのできる環境にしていきたい、また、長寿化する日本において円満かつ円滑な資産管理・資産承継が行われるためのサポート役でありたい、と考えております。

MUFG相続研究所の紹介

MUFG相続研究所

信託業務や、遺言書作成・遺言執行業務の経験豊富なメンバー(リテール企画推進部所属)が中心となり、所長・小谷亨一を筆頭に、高齢社会・長寿社会の課題解決に向けて、「MUFG相続研究所」を運営しております。
「MUFG相続研究所」は、三菱UFJ信託銀行が、資産管理・資産承継に関する調査・研究・レポート作成等の業務を対外的に行う際の呼称です。

本コンテンツの内容について

2020年8月現在の情報に基づき作成しております。