「経営の健全化のための計画」

6. 株式等の発行等に係る株式等及び借入金につき利益をもってする消却、払戻し、償還又は返済に対応することができる財源を確保するための方策

(1)消却、払戻し、償還又は返済についての考え方

 弊社は、時価会計の導入が予定されている平成14年3月期までに、できる限り前倒しで10年9月末基準の有価証券含み損を全て処理する計画としております。
 従いまして、剰余金は、今後3年程度、大幅な増加は望めませんが、平成15年3月期以降、毎期500億円程度増加し、平成18年3月期には剰余金の残高が、本件優先株式の発行額2,000億円を上回る見込であり、7年以内で償還可能と考えております。

 また、悲観シナリオ(次頁以降の(2)イ.「基準シナリオに対する税引後利益の変動見通し」御参照)におきましても、平成19年3月期には剰余金の残高が2,000億円を超える見込であり、8年程度で償還可能と考えております。
 平成20年3月期には、本件優先株式等を消却・償還した場合にも、金融仲介機能を発揮するのに十分な自己資本が確保できると考えております。
収益シナリオ毎の剰余金の推移見込み


(2)収益見通し

イ.今後5年間の収益計画とその主要前提条件が変化した場合の変動見通し
(図表11-1)基準シナリオ(A)の収益見通し (億円)

11/3月期 12/3月期 13/3月期 14/3月期 15/3月期 16/3月期
信託勘定償却前業務純益 906 851 979 1,079 1,190 1,326
税引後当期利益 −1,291 88 104 107 576 655
注)信託勘定償却前業務純益とは業務純益から信託勘定での不良債権処理額を控除したもの。


基準シナリオ
国内経済 緩やかながらも回復ペースを維持(GDP成長率 0〜1%台)
海外経済 米国は一旦短期のリセッション入り、欧州景気も減速。その後欧米ともに回復。
金利 当面は長短金利とも弱含みで横這い。長期金利は平成12年度以降緩やかに上昇。短期金利は平成13年度に一旦上昇後横這い。

10下 11下 12下 13下 14下 15下
長P 2.70 2.70 3.20 3.70 4.20 4.70
短P 1.50 1.50 1.50 1.70 1.90 1.90
TIBOR6M 0.75 0.75 0.75 0.95 1.05 1.05
スワップ5年  1.50 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50
貸信5年 0.70 0.70 0.95 1.30 1.60 1.80
貸信2年 0.40 0.40 0.55 0.70 0.90 1.00
為替 110〜140のBOX。欧米との相対評価を反映して徐々に円安方向へ。
株価 日経平均は 13,500で推移。
不動産市況 商業地、住宅地ともに地価は横這いながら、徐々に流動性回復。
貸出 貸出残高は特殊要因を除き横這い。3業種向け貸出の圧縮、中小企業向け貸出の増加をはかる。信託勘定の長P貸出減少と銀行勘定のスプレッド貸の増加はほぼ同ペース。
有価証券運用 財務投資は、平成10年度下期運用残高を維持。政策投資は年間500億円程度減少。
顧客性調達 個人信託の減少はスーパー定期、法人信託の減少は大口定期で吸収し、顧客性資金残高を維持。(円投の減少分は大口定期残高で調整)

 基準シナリオにそった修正業務純益ベースでの部門別収益は、「ロ.主要部門別の純収益(部門毎の経費 を勘案)動向」において説明しておりますので御参照下さい。

(図表11-2)基準シナリオに対する信託勘定償却前業務純益の変動見通し (億円)

11/3月期 12/3月期 13/3月期 14/3月期 15/3月期 16/3月期
楽観的シナリオ (B) 906 945 1,105 1,229 1,364 1,506
変化額 (B)-(A) 0 94 126 150 174 180
悲観的シナリオ (C) 906 779 854 928 1,016 1,080
変化額 (C)-(A) 0 −72 −125 −151 −174 −246

(図表11-3)基準シナリオに対する税引後当期利益の変動見通し (億円)

11/3月期 12/3月期 13/3月期 14/3月期 15/3月期 16/3月期
楽観的シナリオ(B) −1,291 143 177 194 677 760
変化額 (B)-(A) 0 55 73 87 101 105
悲観的シナリオ (C) −1,291 46 31 19 475 512
変化額 (C)-(A) 0 −42 −73 −88 −101 −143


楽観シナリオ
国内経済 平成11年度から順調に回復。(GDP成長率 2%台後半へ)
海外経済 米国はリセッションに陥ることなく、世界同時不況は回避。
金利 長短金利とも順イ-ルドを保ったまま徐々に上昇するが、長短のギャップは徐々に拡大する。

10下 11下 12下 13下 14下 15下
長P 2.70 3.20 3.70 4.20 4.70 5.20
短P 1.50 1.70 1.90 2.10 2.30 2.30
TIBOR6M 0.75 0.95 1.15 1.35 1.55 1.75
スワップ5年  1.50 2.10 2.70 3.30 3.90 4.50
貸信5年 0.70 1.00 1.35 1.65 2.00 2.30
貸信2年 0.40 0.55 0.70 0.90 1.05 1.25
為替 110〜140のBOX。景気回復を反映して基本的に円高で推移。
株価 日経平均は13,500〜18,000のBOX推移。平成13年度以降は20,000台へ。但し、有価証券含み損の処理計画は、日経平均13,500を前提に策定。
不動産市況 商業地、住宅地ともに地価は緩やかに上昇。流動性も回復。


悲観シナリオ
国内経済 底割れはしないが回復力弱い(GDP成長率0%を挟んで推移)
海外経済 米国のリセッション入りをきっかけに世界的にデフレ基調が続く。
金利 長短金利とも当面弱含みで横這い。平成13年度以降円安の進行と同時に実態経済の回復を伴わないまま金利が上昇。

10下 11下 12下 13下 14下 15下
長P 2.20 2.20 2.20 2.20 3.20 4.20
短P 1.50 1.50 1.50 1.50 2.30 2.30
TIBOR6M 0.70 0.70 0.70 0.70 1.50 2.30
スワップ5年  1.00 1.00 1.00 1.00 2.00 3.00
貸信5年 0.50 0.50 0.50 0.50 1.30 2.10
貸信2年 0.30 0.30 0.30 0.30 0.70 1.10
為替 110〜140のBOX推移だが、財政収支の悪化を反映して平成13年度以降円安が進む。
株価 日経平均は 10,000〜13,500のBOXで低迷。
不動産市況 商業地、住宅地ともに地価は回復せず。
注)楽観・悲観シナリオとも貸出・有価証券運用・顧客性調達についての前提は基準シナリオと変更ありません

ロ.リスク調整後の部門別収益率の見通し

リスク調整後の部門別収益率

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