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サステナアクション

SUSTAINABLE ACTIONS

社会課題

2011年の震災を契機に、
エネルギーの供給源多様化と自給率向上に向けた
自然エネルギーへのシフトが課題となる。

THINK

三菱UFJ信託銀行が考えたこと

脱炭素社会の実現、安定的なエネルギー源という大きな社会課題に対して、再生可能エネルギーを軸とした地産地消電気のエコシステム作りに貢献する、地域に根差した発電所の開発・安全な発電所運営、地方の資金を活用したファンド組成の全工程に関わっていく。

ACTION

三菱UFJ信託銀行が実現すること

三菱UFJ信託銀行が開発資金を出し、自らオーナーのひとりとなり、太陽光のほか、バイオマスや風力などの発電施設を稼働

地方を中心とした機関投資家が取り組みやすい再生可能エネルギーファンドの組成

It’s my サステナ活動

電気とガスと水道、
自宅の省エネに取り組んでいます

フロンティア戦略企画部 インフラビジネス室

三竹 暢彦

It’s my サステナ活動

料理の際、野菜の皮を捨てない
フードロスを減らす

仙台支店 法人営業課

餅 圭子

信託銀行が、
再生可能エネルギーの発電所をつくる理由

「契機となったのは、東日本大震災。再生可能エネルギーを推進する」

三竹
三竹

いちばん最初に、太陽光を含めた再生可能エネルギーに取り組んでいこうという話になったのは2013年くらいなんですね。当時は東日本大震災後の復興時期。あの震災で、日本の景色が全く変わってしまった。その中で、国を挙げて再生可能エネルギーを広めなきゃいけないという話になったときに、我々にできることはないかと考えたわけです。

餅

当時、私のところにも、再生可能エネルギーに取り組むプロジェクトがスタートするので、お客さまのニーズをヒアリングしてみてほしい、という話がありました。私は仙台支店勤務で、東北各地のお客さまにヒアリングしたのですが、土地柄もあって、再生可能エネルギーに関心が高いお客さまは多かったですね。

三竹
三竹

我々もゼロベースからプロジェクトを立ち上げたわけですが、金融機関が再生可能エネルギーを推進する方法として取り組みやすいのは、既存のプロジェクトに融資したり、そうした貸出債権を金融機関同士で融通することですよね。ところが、発電所というのは、実際に運転してみないとわからない部分がありますし、資金を貸し出すことだけにとどまっていると、私たちの理念にあった適切な投資先に出会えないリスクもある。

餅

それで、プロジェクトのオーナーシップを取って、開発から発電所運営まで関わっていくスタイルになったんですね。

三竹
三竹

そうです。その中でも、発電所がある地域の方々の顔が見えて、自分たちがこれならばと納得できる発電所への投資にこだわります。だから、私たちのチームの雰囲気はあまり銀行っぽくない。風力発電所を新設するために、風況の良さそうな地域を地図とにらめっこして探した後、実際に現地に行って事業パートナーになってくれそうな地元の工務店さんに突撃訪問する人間もいれば、水力発電所に適した場所を探すため、それこそクマが生息するような森の中に鈴をつけて行く人間もいるんですよ、スプレーガン持って。我々自身が建設をやれるわけじゃないですけども、その建設チームの一員のつもりで、こういう調査もやりますね。

餅

実は、そういうスタイルが、お客さまからの信頼につながっているポイントだと感じています。当社の太陽光ファンドに入っている発電施設は、ぜんぶ三菱UFJ信託銀行がオーナーのひとりになっていて、その多くは開発から稼働、運営までのプロセスすべてに関わっています、と説明すると説得力が違います。

三竹
三竹

確かに、我々のようにこだわってやっている金融機関はあまりいないのかなという気はしますね。つまり、開発した発電所を転売したり、ファンドを作るだけだったら、他社もやっているんだと思うんですが、開発だとか運転状況をモニタリングするところにも、ずっとコミットし続けているのはレアケースだと思います。

「再生可能エネルギーが、地域再生のチカラになる」

餅

当社が再生可能エネルギーを推進することは、世界的な社会課題である気候変動問題に対する直接的なアクションとして、大きな意味があると思っています。ただ、それだけでなく、まさに地球の未来のサステナビリティと同時に、地方創生等、地域社会のサステナビリティにも貢献できるプロジェクトですよね。

三竹
三竹

おっしゃるとおりですね。私も、この再生可能エネルギーへの取り組みは、地方創生につながると思っています。再生可能エネルギーの発電施設って、東京のど真ん中にはないわけですよ。太陽光パネルは、東京にもあるでしょうけど、巨大なものは作れません。太陽光も、風力も、やっぱり広大な土地のある場所に作っていかなきゃいけないんですね。

餅

そうですね。それで、地方に作るとなると、必ず地元の方々の力が必要になりますよね。

三竹
三竹

ええ、建設にかかわる人たち、運送にかかわる人たち、それから建設して終わりではなく、運転していくときにもたくさんの人の力を借りる必要があります。例えばバイオマスだったら、燃料を供給するために人を雇用しなきゃいけない。保安には電気事業法で定められた技術者が必要で、電気主任技術者という資格のある人にかかわってもらわないといけない、それも基本的にすべて地元の人たちなんですよね。

餅

いろいろな工程で、ずっとずっと地元の人たちにはかかわり続ける仕事があるってことですよね。

三竹
三竹

発電所をファンドの形にするときも、可能な限り地域の方々が資金を出していただきやすい形にこだわります。再生可能エネルギーに取り組むということは、地元の人たちとつながって、経済活動を支えていくことにもつながるので、我々のプロジェクトを通じて、地域のサステナビリティを支えているという意識を持って取り組んでいます。

餅

再生可能エネルギーは、コストが高いと言われてきた部分もあると思うのですが、大きな電力会社が燃料の輸入、発電、送電のすべてを担う「垂直統合」モデルから、地方地方の小さな電力会社がその土地で電力を生み出す「水平分散」モデルへの転換という話が出てきて、電気の地産地消という意味でも、地方の再生エネルギーは今後、さらに不可欠なインフラになりますよね。

三竹
三竹

再生可能エネルギーはコストが高いという話ですが、東日本大震災以降、再エネ導入が日本の課題にあがった当初は、建設に必要な部材の値段が高く、広く普及させるためFIT(固定価格買取)という需要家全体でコストを広く負担する仕組みで、国を挙げて後押ししてきた面があります。今は導入が進み、部材の値段も大きく下がってコスト競争力も出てきています。今後はFITに頼らない、本当の意味で自立した競争力のある電源になっていくフェーズです。これらの取り組みは国のグリーン戦略とも一致しています。ひと言でいえば、新しいインフラを作るということなんですね。

餅

地域の金融機関の方々も、地域での社会課題の解決に向けて、さまざまな取り組みをされています。将来的には、そういう地域の社会問題解決に結びつくようなスキームの開発や商品提供をすることで、安心・豊かな地域社会づくりに貢献できると嬉しいです。

「再生可能エネルギーファンドが描いていく未来」

三竹
三竹

これまでに私たちは、開発中のものも含めると40以上の発電施設に取り組んできています。いま3号ファンドまでできているので、この先、4号、5号と新たなファンドを組成していく予定です。

餅

おかげさまで、お客さまからの評価も上々で、次のファンドの募集を待ってくださっているお客さまもいます。営業担当としては、ぜひ早めに次のファンドをリリースしてもらえると嬉しいです。

三竹
三竹

はい、頑張ります。商品としては、これまでは15年社債の形にとどまっていますが、商品のバリエーションを増やしてお客さまにさらに喜んでもらえるようにしていきたいと思っています。

餅

はい。例えば同じ社債でも投資期間の短い社債とか、ニーズはありそうですね。

三竹
三竹

利回りは低くても、短いほうがいいという人もいますしね。商品に柔軟性を持たせるため、投資する発電施設の規模を大きくするなど、すでに開発段階から工夫や改善に取り組んでいます。

餅

あと、次のマーケットとして、風力を研究されているお客さまも多いんです。ベースは太陽光でも、風力も分散して持っておきたいというお客さまも多くて、電力と風力を一緒に入れたりするファンドも関心を持たれるかと。

三竹
三竹

そうですね。じつは東北地方の日本海側は、風が吹くため、風力発電に適した地域なんですね。電力の地産地消という観点からいくと、東北地方にとっては、風力発電は重要なカギのひとつになると思います。

餅

地域にお金が落ちるような取り組みをすれば、その地域の経済が活性化して税収が増え、それを子育て支援やさらなる地元の活性化に回すことで、地域全体にとってプラスになることが理想です。

三竹
三竹

地球環境問題や地域貢献に対する意志表示として、個人が自分の使う電力を選べるようになったら面白いですね。我々自身は、当社が関わってつくられた電気ですということを、売りにしたいわけではないですけど、お客さまが、電気の作られ方や産地にもこだわりたい、という時代になれば、三菱UFJ信託銀行ブランドの電気です、と言ってもいいかもしれない。

餅

ぜひ、これからも“安心・豊かな電気”をお届けしたいですね。