SUSTAINABLE
ACTIONS

事業貢献・取り組み事例
[ サステナアクション ]

社会課題

気候変動をはじめとした環境問題や
さまざまな社会問題が人類の未来を脅かす。



THINK

THINK三菱UFJ信託銀行が
考えたこと

  • 社会課題解決の方法として、新たなお金の流れを考える。
  • 環境問題をはじめ、教育や健康など、社会課題を解決する技術やアイデアを持つ企業に投資を進めることで、社会にプラスの影響=インパクトを与える。
  • 投資先の企業が、どのような分野にどんなインパクトを与えたのかを見える化することで、社会貢献に関して高い関心を持つお客さまに経済的リターンと社会的リターンの両方を満たす機会を作る。

ACTION三菱UFJ信託銀行が
実現すること

  • 自社でインパクト投資ファンドの開発を進めることを決断。まずはパイロットファンドの運用をスタート。
  • 傘下の三菱UFJ国際投信では、世界有数の実績あるインパクト投資ファンドを持つ海外の運用会社と提携し、三菱UFJ信託銀行をはじめ、国内の証券会社や地方銀行などで販売。これらの取り組みを通じて日本にインパクト投資を根付かせる。
    Morningstar Award “Fund of the Year 2020

    Morningstar Award “Fund of the Year 2020”
    ESG型部門 優秀ファンド賞受賞

    ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド 愛称:ポジティブ・チェンジ ※詳細はリンク先の「第三者からの評価について」をご覧ください。
    ※当該評価は過去の一定期間の実績を示したものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。

DISCUSSING
SUSTAINABILITY

資産運用部/道脇 祐介
 

It’s my サステナ活動
社会問題について
自ら学ぶ

三菱UFJ国際投資
投信営業第一部
/岩田 侑子

It’s my サステナ活動
ペットボトルのキャップや
古紙のリサイクル

資産運用部
ESG推進室 ESG課
/小原 翔太

It’s my サステナ活動
自然に触れる&
エアコンはなるべくOFF

「安心・豊かな社会」を
創っていく、
インパクト投資が果たす
未来への役割

社会課題を起点として生まれる
インパクト投資

道脇:日本株を運用するファンドマネージャーとして投資先の選択や株式の売買を行う業務と、アナリストとして 企業取材を通じた調査分析を行う業務を担当しています。主に年金基金や企業の余裕資金等をお預かりして運用しています。今回、インパクト投資を私と小原さんで担当することになり、すでにパイロットファンドとして運用を開始しています。

小原:私は、そのパイロットファンドで、主にインパクト評価を担当しています。具体的には、企業の事業活動を通じて生じる環境や社会に対する影響を分析し、それをもとに投資候補企業の調査を行っています。

岩田:私は三菱UFJ信託銀行の100%子会社である三菱UFJ国際投信という運用会社で、国内の販売会社向けに投資信託(ファンド)をご紹介しています。インパクト投資ファンドとしては、スコットランドを拠点とする運用会社、ベイリー・ギフォードのファンドを扱っています。

道脇:最初にインパクト投資について簡単に説明しますと、事業活動を通じて社会課題を解決する企業に投資をするというもので、財務情報だけではなく、その企業の環境(E)・社会(S)・企業統治(G)といった非財務情報も考慮して運用する、いわゆるESG投資の一種です。例えば、自社のダイバーシティの取り組みが進んでいることは非常に重要な点で評価できますが、影響が自社内に止まってしまうことも多いかと思います。インパクト投資としては、働く女性を支援するサービスや企業のダイバーシティ推進を支援するサービスなど、社会への波及効果が大きい事業を行う企業を積極的に評価する点が、一般的なESG投資とは異なる点です。加えて、経済的なリターンもしっかり目指します。

小原:投資先企業を選定する前段階として、この投資を通じて「どんな世界を創り出したいか」という目指すべき世界像をまず初めに描く必要があります。それは当社で言うと「安心・豊かな社会」であり、その実現のために各領域でどういう課題があるのかを深掘し、その結果を踏まえて投資先企業を選定していきます。投資候補として選定した企業については、具体的にどの様な経路でインパクトが創出されるかを可視化しつつ、1社1社分析を深めていくことで、最終的な投資の意思決定に繋げていきます。

岩田:ベイリー・ギフォードのインパクト投資ファンドも、社会課題解決には、 「平等な社会・教育の実現」や「環境・資源の保護」「医療・生活の質向上」「貧困層の課題解決」の、4つのインパクトテーマを設けています。運用チームはこれらのテーマ毎に、課題解決をビジネスとして成長が期待される企業に投資を行います。インパクト投資のもう1つの目標であるリターンの獲得という観点では、個別銘柄で見て5年で2倍の株価になることが期待される銘柄を発掘し投資するという目標を持っています。

小原:例えば「平等な社会・教育の実現」というテーマだとどんな投資先が考えられるのですか。

岩田:教育がいろんな人に行き届くという観点で、例えば、世界各国に教育のサービスやアプリを提供しているような企業に投資しています。あるいは金融サービスですね。貧困の問題とも関わってきますが、新興国では銀行口座を開くことが難しいという問題がある中で、誰でも金融サービスへアクセスできるような事業を提供している企業に投資しています。

道脇:当社でも、もう少し幅広い領域になりますが、インパクトテーマをいくつか特定していまして、その課題解決に貢献する企業に投資します。当社にしても、ベイリー・ギフォードにしても、インパクト投資には、まずファンドとして解決したい社会課題を特定し、それらに対して、ポジティブな影響を与える企業に投資することになります。

小原:いま三菱UFJ信託銀行は、すべての商品やサービスを社会課題から発想していますが、インパクト投資自体が、まさに社会課題を起点として生まれるものなんです。

社会課題解決と経済的リターンの両立

道脇:岩田さんは、インパクト投資ファンドを証券会社や銀行などさまざまなお客さまに紹介されているわけですが、どのような反応があるのか、とても興味があります。

岩田:現場の理解はすごく深いですね。とくに地方銀行さまですと、その地域を活性化させることを目標に掲げていらっしゃることもあり、このファンドを提案させていただくと、販売員の方が「社会を良くする商品だから、ぜひ多くのお客様にご案内していきたい。」と思っていただけることが多いなと感じています。

小原:なるほど。販売会社さまによっては別の反応もあるんですか。

岩田:証券会社さま等では、インパクト投資が社会課題の解決だけではなく、リターンも同時に得られるという投資の手法の一つとして関心を持ってくださるお客さまが多いかなという感じがします。

小原:販売会社の先にいる個人投資家の皆さんはどのように感じているんでしょうね。

岩田:1つの例ですが、これまで全く投資商品のお付き合いのなかったお客さまで、 お金はたくさん持っていて世の中に良いことをしたいけれど、 仮にカンボジアに寄付しても、自分のお金がどう使われているかよくわからないから寄付も難しいと言っていた方がいたそうです。その方に販売担当の方が、このファンドだと自分のお金がどうやって使われているかがわかる「インパクトカリキュレーター」というものがあるのですが、それをお見せしながら「お客さまにご投資いただいたお金はこのような社会課題の解決に繋がっています」とお伝えし、初めて投資していただけた、という話も聞いています。このインパクトカリキュレーターは、例えば自分が100万円投資したら、どのぐらいCO2の削減に貢献できたのか、 どのぐらい水が節水できたとか、そういう数字が可視化できるサイトになっています。

小原:実感として、販売会社さまによって捉え方がやや異なるというお話ですが、その要因はどんなところにあるのか、気になりますね。

岩田:おそらく伝え方の違いなんだろうと思っています。先ほどもお話ししましたが地方銀行さま等では、販売担当者が意識的に、いま話題のSDGsに着目したファンドがあるんですよっていうところから入るので、パフォーマンスの説明は、その次になることもある一方で、ベイリー・ギフォードの運用って過去のパフォーマンスがすごく良いので、証券会社さま等では、まずはパフォーマンスの数字を見せた方が興味を持っていただけるだろうというスタンスから入るというのはあるかもしれませんね。

道脇:リターンなのか、社会課題解決なのか、という話は、ファンド運用者としても非常に難しい部分ですね。社会課題とは、社会が求める需要と現在の供給のギャップであり、このギャップの解決策には大きな潜在需要の存在があると考えています。事業活動を通じた社会課題の解決策は、大きな潜在需要を取り込み、高い成長が期待できます。結果的に企業は利益を得て、投資のリターンが得られる、という整理をしています。事業会社に社会課題解決が求められる流れになっている一方で、そこに経済性がないと事業会社もついていけないというのが現実だと思っています。リターンも大事、インパクトも大事というのが、 本当なのかなと。

小原:今後、様々な社会課題の深刻化が懸念される中では、課題解決に貢献する企業に対する需要が一層高まり、同時に企業価値も一緒に高まっていくのではないかと考えています。そういった意味では、企業調査を進める中において、従来の財務分析に加えて、インパクトに関する分析も同時に行うことは、投資判断を行う上では非常に重要になってくると思います。

道脇:ESG投資とリターンの関係は議論がある部分で、最終的な答えは出ていないと思います。インパクト投資についても同様、まだまだ評価は定まってないと思います。 ただインパクト投資に関わっている人間からすると、これが社会のサステナビリティを高めるために非常に重要な取り組みだと信じているということです。内心は儲からないと思っているとか、そういうことは全くなくて、経済的なリターンを得られると思うし、プラス世の中も良くすることができると本気で思っています。

インパクト投資が創っていく未来

小原:例えば、SDGsというワード自体はテレビで頻繁に聞くようになり、認知度が非常に上がってきていると思いますが、課題が大きくなればなるほど、それを各個人がジブンゴトとして捉えることが難しくなっていくかと思います。そこで、この様なインパクト投資を通じて、課題解決への貢献をより実感できるようにすることで、社会にとって良いお金の流れを作っていきたいと思っています。日本企業には高い技術力もありますし、色々な社会問題を解決する可能性を大きく秘めています。一方、事業と社会課題を上手く結びつけて取り組めていなかったり、自社の取り組みを対外的にアピールできていなかったりと、非常にもったいないケースも数多く存在するのが実情です。そういった意味でも、インパクト投資が世間に浸透していくことで、個人・企業・投資家等の様々な主体において、課題解決に向けた意識が一層高まり、社会全体としてより良い社会の構築に自然と近づいていくことが、一番の理想形かと思います。

岩田:インパクト投資が浸透していく先に、私の理想は、2つあって、1つはやっぱりインパクト投資を通じて世の中がより良くなっていくことで、私たち自身もより豊かな生活ができるということ。まさに私たちが持続可能で良い生活をしていくための投資が、 インパクト投資だと思っているので、 より豊かな私の将来がその先にあると思っています。もう1つは、少し営業寄りの立場で申し上げると、これが若いひとたちが投資をするきっかけになってくれるんじゃないかなというふうに思っています。例えば有楽町にあるコスメショップでは環境に配慮した商品を扱っています。デパートに入っている自然派コスメブランドのお店に若いひとたちが入ってくるんですよね。 私の印象だと若い世代は、環境への関心がすごく高いようで、例えばマイボトルやマイストローなども積極的に持っているなと感じています。インパクト投資は、そんな若い世代が、「企業の製品」を買うことで企業を支えるだけでなく、「投資」することでその企業を支えつつ、さらに自分のお金もより増やすことができる、つまり投資を通じて豊かな社会にも貢献できる、人々と世界や社会との懸け橋になる投資手法だと思っています。その意味で、若い世代が投資を始める一歩になる役割がインパクト投資には期待されていると思います。

道脇:若い世代というお話で思い出しましたが、ある団体のお客さまにファンドの説明に行った際、担当の方からその団体への若い人の加入が減っているという話をお聞きしました。若い人たちにアピールするため、運用資金で投資しているファンドによってこれだけ世の中が良くなる、そういうことが直接的に分かるようなものが欲しいと言われました。当時はまだインパクト投資ファンドがなかったのですが、まさに、その思いに応えられるのがインパクト投資だと思っています。若い世代は、今の世の中にすごく不安や不満があるというか、社会課題についてもより深く考えていると思います。 インパクト投資が浸透していくことで、そういう若い世代の「不安」が未来への「希望」に変わるような社会 になっていくことが理想の姿ですね。インパクト投資には、そのくらい社会を大胆に変えていく可能性があると信じています。

聞き手/執筆 伊田 光寛
(ブランドコミュニケーションデザイナー)

2022年5月26日現在