SUSTAINABLE
ACTIONS

事業貢献・取り組み事例
[ サステナアクション ]

社会課題

老後の生活資金不足のために、
やむなくマイホームを
手放す人たちがいる一方で、
空き家が増え続けている。



THINK

THINK三菱UFJ信託銀行が
考えたこと

  • 老後の転居は、それまで培ってきた地域との絆や人間関係への影響も大きいため、なんとか住み慣れた自宅を手放すことなく、ゆとりのある老後生活を設計できるようにする。
  • 少子高齢化の影響もあり、実家が親の相続発生後、空き家として放置されてしまうケースも少なくない。家は使い方ひとつで「資産」にもなれば、「負債」にもなる。空き家問題は、地域の環境や安全にも関わる問題にもつながるため、家を「負の遺産」にしないための仕組みづくりが必要になる。

ACTION三菱UFJ信託銀行が
実現すること

  • 老後の資金問題、相続問題を解決し、さらには空き家問題という社会課題の解決にもつながる仕組みとして、リバースモーゲージ信託「ゆとりの約束」を開発、商品化。
    リバースモーゲージ信託「ゆとりの約束」
  • 自宅を担保にお金を借りる仕組み。最大のメリットは、住宅ローンと違い、生前に元本も利息も返済する必要はないため、安心して資金を使えること。さらに相続人が返済を求められることもなく、家族に負担をかける心配もない。
    1. POINT 1
      老後の使える資金が増える。

      自宅の評価額に応じて、使い道の自由な資金を借りることができる。

    2. POINT 2
      大切なマイホーム、地域や人とのつながりが守られる。

      住み慣れた自宅には、生涯、住み続けることができる。

    3. POINT 3
      ご家族に負担をかけない。

      相続人が返済を求められることはなく、自宅の売却に伴う面倒な手続きもない。

DISCUSSING
SUSTAINABILITY

本店営業部
資産コンサルティング第5課/清野 美穂

It’s my サステナ活動
人とのつながりを
大切にすること。

フロンティア戦略企画部
/長谷川 はるか

It’s my サステナ活動
5階までは
階段を使って上がる。

老後の資金、相続、そして空き家問題
3つの社会課題解決への挑戦。

「社会課題を起点として、世の中に必要な商品、サービスを考える」

長谷川:私の部署では、社会課題解決に貢献しうる新しい商品、サービスの企画開発を手掛けています。数多くある社会課題の中で私が取り組んでいるテーマは3つありまして、ひとつは人生100年時代の今、老後のご資金の不安が大きいこと、そして相続の問題、あともう1つは相続に関連して、社会的な問題にもなって浮上している空き家問題ですね。

清野:そうですね。私も毎日のように高齢者の方とお話ししていますが、やはり、将来への不安であったり、ご家族との問題などをお聞きする機会が多いです。

長谷川:そういった方々へのひとつの解決策として開発したのが、リバースモーゲージ信託「ゆとりの約束」という商品です。これは、ご自宅の評価額の50%を限度にお金をお貸しする仕組みですが、単純な借入と異なり、ご本人はもちろん相続人も、借入元本や利息をお金で返済する必要はありません。最終的にご自宅で返済(代物弁済)していただきます。

清野:お客さまからは、大きな財産である自宅を活用して、元気なうちに自由に使えるお金を手にできるということで、少し心細くなってきた老後資金、それが確実に毎年口座に振り込まれるという安心感、そこは非常に喜ばれています。あとは、相続が発生し契約が終了すると自宅の売却手続きなどを銀行がすべて請け負うのですが、その点についても「信託さんがそこまでやってくれるのはありがたいわ」とおっしゃってくださるお客さまも多いです。

長谷川:ただこれまでになかった商品なので、お客さまに既存のサービスとの違いを知ってもらうのに最初は苦労しましたね。

清野:そうそう、一般的なリバースモーゲージですと、 ご両親の借入金を相続人が返済するという商品性なんですね。自宅を相続人の方が売却したとしても、払いきれなくなるリスクもあるので、負債を相続人が負ってしまうのがネックになっていました。そのせいもあって、リバースモーゲージで検索すると「やばい」とか「危険」といったワードで出てきてしまうんですね。当社の「ゆとりの約束」という商品は、そうしたネックをクリアして、相続人の方に負債が及ばない、安心してご利用いただける商品になっています。

長谷川:もともと私たちはリバースモーゲージ商品を作ろうという発想ではなく、先ほどの「老後資金」「相続」「空き家問題」の3つの社会課題を解決する方法として、このサービスに辿り着きました。

清野:社会課題を起点として、リバースモーゲージのおけるひとつひとつの問題点を丁寧にクリアしながら作ってきただけに、そのあたりをもっとお客さまに知ってもらえたらと思っています。

「重なりあう社会課題を紐解くことで、
もっと良い社会へ」

清野:他の銀行のリバースモーゲージは契約者がご主人になる場合、奥様には引き継げないことが多いのですが、当社の場合は引き継げるところも特徴ですね。

長谷川:配偶者を亡くしショックを受けられている時に、ご自宅に住めなくなるというのでは、私たちが目指している「安心・豊かな社会」とは言えません。

清野:利息も元気なうちに現金で支払う必要がないという商品性になっています。また他社ですと、奥様に契約を引き継ぐときに、奥様に審査があって、その審査が通らないと自宅に住み続けることができない場合もあるのですが、当社の「ゆとりの約束」の場合は、配偶者に契約を引き継ぐことが前提となっていますので、安心して奥様も自宅に住み続けることができます。

長谷川:そうやって、ご家族が大切にされてきたご自宅も「空き家」になってしまうと社会的なリスクになります。「空き家」の問題って、相続したときにそのまま放置してしまうケース以外にも、子どもたちが共有で相続するというケースがありますが、そうすると、全員の同意がないと売却できません。相続のたびに所有権者が増えてしまい、もう放置せざるを得ないとなって、空き家が増えていくんですね。リバースモーゲージが社会に浸透していけば、そういった問題の解決の一助になるのかなと思います。

清野:実際、不動産を残してしまうことで、仲の良かったお子さまたちに何かしらの争いが起きたりすることも考えて、自分たちの代で処分したいという方も増えています。ただし、住み慣れた住まいには、いろいろな思い出があったり、地域とのつながりができていたりするので、売却して引越しをするというのは、躊躇してしまいますよね。

長谷川:そうなんですよ。自宅を売却してお金だけ得ても、その後の人生を楽しむことができなければ意味がありませんよね。

清野:空き家問題には、地域全体で取り組んでいく発想も必要かもしれませんね。

長谷川:まだ具体的な話ではなく、あくまでアイデアベースなのですが、例えば、沿線で高齢化が進み、地域の活性化を課題に感じているような鉄道会社がリバースモーゲージのような仕組みで所有者をまとめることで、老人ホームや保育所などをつくって、街を活性化するというようなことも面白いと思っています。

清野:空き家が点在してしまうと、再開発みたいなことはやりづらいですからね。

長谷川:リバースモーゲージ信託の仕組みを活用して、老後資金の問題、相続の問題を解決していくことが、空き家問題の解決につながり、さらにその先に地域の活性化まで見据えることができれば、私たちが目指す「安心・豊かな社会」の実現に近づけるんじゃないかと思います。

「私たちの仕事は、
人や社会の幸せにつながっている。」

清野:今って心が病んでしまう人が結構多いですよね。ですから、誰もが心身ともに健康を保てる社会になってほしいなって思っています。

長谷川:私たちが日々、お客様と接していく中でも、特にご高齢の方の孤独の問題とか、人とのつながりとかの部分に対しても力になれることがありますよね。

清野:ありますね。奥様が施設に入ってしまわれて、一人暮らしをされている方がいらっしゃるのですが、訪問させていただくとすごく喜んでくださって。「親族が来てくれたように感じるんだよね」とおっしゃってくださると、 こちらとしても嬉しくなります。商品を通じてこういった新たな繋がりを作らせてもらっているのは本当にありがたいですし、幸せを分けていただいていると感じます。

長谷川:それは嬉しいですね。

清野:「ゆとりの約束」のご契約をする際は、代表相続人※を選任いただく必要があるのですが、お子さまがいらっしゃらず、お兄様に頼まれた方がいました。最近はあまり連絡を取っていなかったそうですが、この商品をきっかけに関係が復活したんですね。お兄様を通じて姪御さんやそのお子さんと、みんなで食事会を開くようになって、その姪御さんのお子さんが「小さいときにすごく世話になったから、おばちゃん、これからもたまにはこうやって夕飯一緒に食べようよ」って言ってくれたんですって。「兄やその家族と疎遠になったままだったけれど、この商品のおかげで絆を繋ぐことができて本当に良かったわ」と言っていただけました。

※代表相続人:相続人の代表。役割は、契約者死亡時の通知、所有権移転についてのご協力、精算金の受取。保証人とは異なるため返済義務を負うことはない。

長谷川:私の部署は社会課題の解決に資する商品やサービスを企画開発するのがミッションなので、私も個人的な思いとしてはいろいろありますが、今、自国主義が広がっている中、食糧自給率は低いし、肥料の原料も輸入に頼っていて、資源も少なく、日本はリスクを抱えていると思うんですね。 そこで例えば下水を綺麗にして使う方法も、まだそんなに広まってはいないですがありますし、そこから輸入に頼っている肥料の原料とかも取れたりするので、小さく循環させる仕組みで、地域を盛り上げるようなストーリーができたらと思っています。あとは、少子化の問題や教育格差、新しいインフラ等、常にアンテナを張っていろんな領域を模索しています。

清野:私も少子高齢化は大きな社会問題だと思っています。ご高齢の方は、先ほどもお伝えしたように、孤独を感じている方がいらっしゃって、この商品って契約してしまうと、その後、接点がなくなってしまうんですね。せっかく打ち解けたのに、ちょっと寂しくて。契約後も何かしら接点を持てる場があったら嬉しいですね。あと、子どもたちのことを考えると、 日本って型から外れると、ドロップアウトしてしまうケースが多いかなと感じています。何でもみんなと同じようにできないといけないとか、どの科目もすべてできないといけないというプレッシャーがあるので、 でこぼこのある子はすごく過ごしづらそうにしている教育事情かなと思ってるんですね。だけど、でこぼこのある子って、得意なところが特出しているので、個性を認めて更に伸ばしてあげられる、 そういう社会や教育体制になったら、日本の未来もいろんな形で変わってくるんじゃないでしょうか。

長谷川:そうですね。実際に起きている問題と、当社ができることをどう結びつけるかというのが一番の課題であり、難しいところなのですが、試行錯誤しながら少しずつでもカタチにしていきたいですね。

清野:社会インフラから人と人とのマッチングまで、枠にとらわれず、どうしたら「安心・豊かな社会」が実現できるのか考えていきたいと思います。

聞き手/執筆 伊田 光寛
(ブランドコミュニケーションデザイナー)

2022年5月26日現在