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スペシャルコンテンツ

SPECIAL CONTENTS

モデル 知花 くらら×取締役社長 窪田 博

真の社会課題解決には
持続可能な仕組みが必要、
そのために今私たちが
できること

窪田

三菱UFJ信託銀行にようこそお越しくださいました!この度は、サステナビリティ・アンバサダーをお引き受けいただき、ありがとうございます。

知花

こちらこそ、よろしくお願いいたします。

窪田

弊社は信託銀行として、遺言のお預かり・執行などの資産承継や資産管理、資産運用といった、お客さまの大切な想いを未来へとつなぐお手伝いをしています。だからこそ、長期的な視点で社会や環境に貢献する取り組みを行うことが可能になっています。

2024年4月からスタートした中期経営計画では、社会課題解決への取り組みを戦略の柱の1つに掲げ、まさに全社一丸として取り組んでいるところです。そうした中で、持続可能な未来を実現するためには、社会を巻き込んで共感の輪を広げることが重要と考えております。

知花さんは長年に亘る国連での活動をはじめ、「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉が出てくる前から、さまざまなサステナビリティの取り組みを行ってこられました。
今後、サステナビリティ・アンバサダーとして、弊社がどんな社会課題にフォーカスしてどのような取り組みを行っているのかを届けていただくだけでなく、より良い未来に向かっていくために今行うべきことを一緒に考え、社会全体を巻き込むムーブメントにしていけたらと考えています。

知花

ありがとうございます。
私は長年、国連の活動に携わってきましたが、ずっとご支援をいただく側でした。ですから、サステナビリティ・アンバサダーのお声がけをいただいた時、貴社の「ビジネスとして社会課題を解決していく」という姿勢が大変新鮮に感じられました。

社会貢献活動にはNPO(特定非営利活動)法人やNGO(非政府組織)をはじめ、世界中でさまざまな活動がありますが、マネタイズが難しいこともあり、現場のボランティアなどの方々の熱意に頼っているのが現状です。貴社のようにビジネスとして課題の解決に役立っていけるのであれば、まさに“一石五鳥”というか、皆がハッピーになりますよね。

窪田

まさにそのとおりですね。
たとえば、弊社は運用機関でもありますので、課題の解決に向けてサステナブル投資やインパクト投資の推進も行っています。これは、お客さまからお預かりした資産を長期に安定的に運用していくというFiduciary Duty(受託者責任)の理念に基づいて、環境や社会にポジティブな影響を与える企業やプロジェクトを投資により支援するものです。数多くの社会課題の中で今何が重要なのかを見極め、投資先との対話を通じてサステナブルな取り組みを促しています。

知花

具体的にはどんな事業をなさっているのですか?

窪田

近年ですと高齢化という課題に対し、ニーズが高まっている老人ホームに対する支援を行っています。弊社が信託のスキームを活用して、老人ホームを小口化し投資家に販売することで、老人ホーム等の高齢者施設を増やすだけでなく、投資家の運用ニーズを満たすことにもつながっています。

また、最近は大学生の2人に1人が奨学金を利用するなど、家計の学費負担が大きくなっています。そこで弊社では返済不要な給付型奨学金ファンドの立ち上げの準備も進めています。この取り組みは先日、一般社団法人環境金融研究機構が主催する「第10回サステナブルファイナンス大賞」の優秀賞を受賞しました。

知花

私もこの給付型奨学金ファンドは素晴らしい取り組みだと思いました。WFP(国連世界食糧計画)の仕事でアフリカなど発展途上国の教育現場に足を運んできましたが、国家にとって何より大切なのは未来を担う子どもたちの存在です。教育支援はすぐに結果が出なくても、10年後、20年後の良い社会や暮らしに確実につながっていくように思います。

窪田

弊社では、日々の事業活動や取り組みが社会課題解決にどうつながっているのか、社会的にどのようなインパクトや変化を与えているのかを意識しながら、より良いサービスや商品開発、業務改善を行っています。そして、インパクトの道筋を「見える化」して、インパクトをどれだけ与えたかを目標設定したものを「IMPACT BOOK」としてまとめ、2024年7月に公表しました。銀行業界では初の取り組みであり、弊社が長期的な視点から社会課題の解決に取り組む姿勢をより明確に打ち出した形です。そして、もう一つこの取り組みの重要な意義として「言行一致」の追求があります。企業に対してSDGsに取り組みましょうと、言っている自分自身が社会課題解決を意識した活動を実践していなければ説得力はありません。

知花

「IMPACT BOOK」は従業員の方にとっても日々の業務が誰かの役に立っていると意識することができて、仕事への大きなモチベーションになりますね。信託銀行はなかなか関わりを持つ機会がない、敷居の高い存在だと思っていましたが、今日、窪田さんとお話しして、だいぶイメージが変わりました。金融という社会インフラを活用し、多様な社会課題解決に向けてアプローチできるのは大変魅力的です。

窪田

私も入社して33年になりますが、就職活動をするまでは正直、信託銀行とほとんど接点がありませんでした。しかし、実際に中に入ってみると、本当にいろいろな業務を扱っています。先ほどお話しした資産承継業務や、不動産の仲介や管理、そして、最近はNISA(少額投資非課税制度)の拡充で個人の株主が急増していますが、弊社では株主名簿の管理業務も代行しています。配当金の支払いもすれば、企業さまと一緒に株主とのコミュニケーションのお手伝いも行います。年金の分野では、企業年金の運用・管理業務もあります。

このように、見えないところで「縁の下の力持ち」として社会を支えている存在が信託銀行なんです。

知花

社会課題解決に向けた活動を行うに当たっては、資金や融資が不可欠です。一方で、私が今関わっている地域振興の分野では、小さなコミュニティに見ず知らずの人が入ることにものすごい警戒感があるわけですよ。社会的に大きな信用を得ている信託銀行が間に入ってくれたら、いろいろなことがスムーズに進むのではないかという期待感があります。

窪田

弊社では皆さまから「信頼していただく存在であり続ける」ことを常に頭に置いて、日々の業務に取り組んでいます。そのうえで新しいことにもどんどん挑戦し、結果として世の中の役に立てたら、これほどうれしいことはないですね。

知花

そう思います!
私自身は沖縄の出身ですが、再建を託される形で慶留間島(げるまじま)の祖父の生家と土地を譲り受けたんですね。島自体が人口減少などの社会課題を抱えていて、いずれ祖父の家を再建するなら、物理的に新しい建築を増やすだけでなく、島の人口対策に貢献できる仕組みを作りたいと考えました。それにはどういう土台や枠組みが必要なのかを、島の人たちとブレストしているところです。私にとっては本当に大切なプロジェクトなので、島の人たちと同じ方向を向きながら、時間をかけて慎重に進めていきたいと考えています。

私が国連の活動で多くの国々を回って感じたのが、お金や数値では測れない「心の豊かさ」でした。一番わかりやすいのが住居で、土壁に藁を編んだ屋根の本当に小さな家でも、現地の人はそれが当たり前なので決して貧しい生活だとは思っていないんです。外からは家畜ののんびりした鳴き声がして、しぼりたての牛乳で淹れてくれたチャイがとても美味しかったりする。そうした場所で過ごす時間が大好きだったことが、慶留間島のプロジェクトに関わる伏線になっていたように思います。

窪田

素晴らしい体験をされてこられたのですね。知花さんの慶留間島でのプロジェクトの今後に期待しています。やはり、このようなプロジェクトを持続可能な形にしていくには、個々のボランティア活動だけでなく、ビジネスとして成り立たせることを考えなくてはと思いますね。

知花

おっしゃるとおりで、私も国連の活動に加えてさまざまなチャリティやボランティアの活動をしてきましたが、最大のネックは続かないことです。

窪田

2026年4月に施行される公益信託の法改正は1つの突破口になるのではないかと考えています。世の中には「公益な活動をしたいが、何をして良いかわからない」「寄付をしたお金が本当に社会に役立てられているのか不安」とお考えになる方が少なくなく、弊社のような信託銀行等が代わりに公益活動の運営をすることには意義があると考えます。

知花

窪田さんはまさに、いろいろな社会課題を抱える方の応援団長ですね!本当にいろいろな取り組みをなさっていて、なんだか、信託銀行さんにぐっと親近感が湧きました。
慶留間島のプロジェクトも、窪田さんがおっしゃるようにプロジェクトが回る中で利益が出て島の人たちや関係者に実りをもたらすようになれば、島の運営も健全化するし、皆がハッピーになるように思います。

窪田さんのビジネスとして社会課題を解決していくというお話には「こういうの、いいなぁ」と共感しましたし、忙しい日々を送る中で、無理のない範囲で支援を行うことが誰かへの応援ソングになるのであれば素晴らしいなと改めて思いました。

窪田

私も知花さんのグローバルなサステナビリティ活動を拝見していて、どんな方なのかお会いするのを楽しみにしておりましたが、今日、慶留間島のプロジェクトについて瞳をきらきらさせながらお話しされるのを見て、私たちも知花さんのような情熱と誰かへの熱い想いをもって社会課題の解決に取り組んでいきたいと決意を新たにしました。
これから一緒に、社会やそこに暮らす皆さまのより良い未来を創っていきましょう!