サステナビリティ対談 
長島社長×中田英寿氏スペシャルトーク
社会課題と向き合い
「安心・豊かな社会」を
実現するということ

今回は、サステナビリティ特別対談として、司会にフリーアナウンサーの政井マヤさんを迎え、三菱UFJ信託銀行取締役社長 長島とDprimeのアンバサダー中田英寿さんに、三菱UFJ信託銀行が目指している「安心・豊かな社会」の創出というテーマでお話しいただきました。

政井さん:
三菱UFJ信託銀行は、安心・豊かな社会を創り出すために、社会課題を解決するサービスの提供を目指されているということですが、情報銀行サービス「Dprime」は、どのような社会課題を背景に生まれたものなのでしょうか。

長島社長:
いま、多くの方々が、インターネットやSNSを使っています。大変便利な反面、訪問したサイトの履歴や購入履歴などの情報が勝手に使われているんじゃないかという不安もあると思います。

中田英寿さん:
そうですね。オンラインで個人データを入力するのは、少し躊躇しますね。やっぱり、そこに対する恐怖感というものはあります。

長島社長:
そういった個人情報の問題は、まさにインターネット社会における大きな社会問題だと感じています。個人の側からすると、自分のデータは自分でしっかりと管理したい、一方、企業も正しくデータを活用することで、良い商品、サービスを提供したい。中田さんにアンバサダーをお願いしたDprimeのサービスも、こうした社会課題解決に対する解決策のひとつとして開発したものです。

中田英寿さん:
個人も企業も、本当は、情報をきちんと出して、受け取ることによって、より良い関係ができるはずだと思います。より良いコミュニケ―ションがとれるはずなのに、今両方からそれが怖くなっていて、結果上手くいっていないという状況が非常に多いと思います。

政井さん:
Dprimeでは、匿名性が保たれるということも、大きなポイントですが、個人ユーザーの視点から、中田さんはどうお感じになりますか。

中田英寿さん:
一番自分が大事だと思っているお金を預けている銀行が、パーソナルデータを管理してくれるということは、非常に安心感があると思います。

長島社長:
信託銀行は、もともと株主さまの名簿や企業年金の受給者さまなどの情報を取り扱ってきた長い歴史があります。その意味では、情報管理の分野についても、信用と実績があると思っています。

中田英寿さん:
情報漏洩といった話も出てくる中で、企業側としても怖い部分があると思います。あいだに銀行が入ってくれることによって、双方がよりいい関係がつくれると、非常に面白いですね。

政井さん:
今まで信託銀行というと敷居が高いというイメージがあったのですが、今回、三菱UFJ信託銀行がDprimeという斬新なサービスをスタートしました。中田さんの中で、信託銀行に対するイメージの変化はありましたか。

中田英寿さん:
お金を預けるところをどのように選んでよいのか正直分からない。結局、自分が何となく信用しているなどの感覚で選ぶのだと思います。ですが、同時に自分の情報、お金も情報だと思います。これからオンラインでどんどんお金の使い方や管理の方法なども変わっていく部分があると思いますが、そういう部分の管理も含めて全部をデータとしてみた場合、他のデータも一緒に管理していただけるところにお金を預けたくなりますし、自分にとって大事なものなので。今までは、色々なところをつかっていたけれども、同じところで全部やっておいた方が、より効率的な自分の生活がうまれるのではないかと感じます。

長島社長:
信託銀行は、店舗はそれほど多くありませんが、相続業務や不動産業務も取り扱っている特色のある銀行です。その中で、家族にとって、もっとも重要な情報ともいえる「遺言」もお預かりしています。信託銀行が扱ってきた情報は、いずれも万一、なくしてしまうと大変なことになるものばかりです。こうした実績をベースに、Dprimeもみなさんに信頼される情報サービスにしていけたらと思っています。

中田英寿さん:
今のお話を聞いていても、友達とはつながってはいるけども、じつは一番繋がっていなければいけない家族って、情報のシェアをしていないことが多い。たとえば親戚の連絡先や、親が預けているお金や保険を知りません。突然、何かあった時に、みんな困りますよね。家族の情報が集まっている場所があったら、一番、安心安全になるのかなという気がします。

長島社長:
実は、我々も中田さんと同じ課題感を持っていまして、家族がつながるアプリケーションを作りました。たとえば、そのアプリにアクセスすると、私の85歳の母が今日何やっているか、何歩歩いたのかがわかるんです。また万一、何かあったときに、どこの銀行にお金があって、誰に連絡すれはよいかなどが把握できる機能があります。

政井さん:
三菱UFJ信託銀行では、そういった、高齢化社会という社会課題にも向き合っていらっしゃいますね。他にもサステナビリティでいうと、グリーンエネルギーに関する投資ファンドであったりとか、高齢の方が安心して預貯金できるサービスなど、色々なサステナビリティ活動をされていらっしゃいます。中田さんは、サステナビリティでどのような分野に関心がございますか。

中田英寿さん:
僕は、サステナビリティ、持続可能というのは、結局一番社会や世の中に負担が無い、健全な生活、ということだと思います。それはどういった生活かというと、長く続いてきた産業つまり、一次・二次産業の、農業や工芸、お酒などですね。何百年規模の企業がたくさんありますが、そういったところが残っている理由もあります。工芸品一つとっても、一度自然素材から作ったものが、何十年何百年と残る。これ以上のサステナビリティはないのではないかと思います。どうしても、新しくて安くて簡単なものになりがちですが、サステナブルを考えたときには、自然環境をいかに活かすかが大事だと思います。自然とともに物を作って生活をしている、その産業をどのように伸ばしていくかということが一番の社会的なサステナビリティ活動になるのではないかと思い、それらを広める仕事を頑張っています。

政井さん:
工芸品には美術的な価値だけでなく、サステナビリティという視点からも大きな価値があるということですね。最後に、サステナビリティな活動が進んだ先の未来はどんな社会になるのか、ソサイエティ5.0という言葉もありますけど、長島社長の理想の姿や社会はどのようなイメージをされますか?

長島社長:
まずは、地球に優しい社会ということがひとつ。もうひとつは、文化を大事にすることもそうですし、色々なひとが一緒に生きていけるダイバーシティー、年齢や民族や文化が違う人たちが一緒に生きていけるということがサステナビリティな世の中だと思います。そういったことに少しでも役に立てればと思っています。

政井さん:
中田さんはいかがでしょうか。

中田英寿さん:
自分が安心で幸せに暮らしているコミュニティがどう形成されるかだと思います。一見、世の中がどんどん大きくなっているように見えますが、コミュニティは小さくなっているように感じます。そういったときに、自分と同じ考えをもったり、同じ趣味嗜好をもった人たちをどうやってみつけて集めていくか、その最たるものは家族でしょうが、今までは、まったく分からない中で、偶然の出会いから生まれていたものを、データがきちんとあることで、その精度が高まったり、より多くの仲間が集まりやすくなる。それによって本当に幸せな環境を作りやすくなるのではないかと思います。

政井さん:
データをつかった新たなコミュニティやそこからの出会いというものが期待できるということですよね。情報化社会という波にのまれそうになっていましたが、ご自分が主導権を握って、自分のデータをコントロールしながら、良い情報との付き合い、企業との付き合い、また、あらたなコミュニティの発展というのが期待できそうです。
お二人とも、本日はありがとうございました。

長島社長:
ありがとうございました。

中田英寿さん:
ありがとうございました。