サステナビリティ対談 
長島社長×中井貴一氏スペシャルトーク
大切なものを守り、
より豊かで安心できる
社会を次世代に

安心して暮らせることが、
何よりも大切

長島:
三菱UFJ信託銀行サステナビリティ特別対談、今回はゲストに俳優の中井貴一さんをお迎えしました。中井さんには2015年から弊社のテレビコマーシャルに出演していただいていますが、信託銀行については、どんなイメージを持っていますか?

中井:
以前から、個人的に信託銀行とは長くお付き合いをしているのですが、CM出演を機に改めて業務内容を見てみると、思っていた以上に幅広いですよね。ですから、CMを見た知人に「信託銀行って普通の銀行と何が違うの?」と聞かれた時に、「銀行業務以外に、生活に密着したいろいろなサービスを提供してくれる銀行。だから、信じて託せるんだよ」と説明しています。

長島:
信託銀行へのご理解、ありがとうございます。そう言っていただけて、大変光栄です。

中井:
最近は、今回の対談のテーマであるサステナビリティ活動にも力を入れていらっしゃいますが、これにはどのような背景があるのですか?

長島:
企業も市民の一人ですから、自社の利益を追い求めるだけでなく、社会と調和して、社会に役立つ仕事をしないと存続できませんし、それが本来の企業の役割でもあると思います。新型コロナウイルスのパンデミックや地球温暖化による弊害、自然災害などが多発する中、もう1度、この原点に立ち返って、社員全員で「どうやったら世の中の役に立てるのか」を考えてみようという想いから、MUTBサステナビリティ活動指針を策定、事業を通じてサステナビリティ活動に力を入れています。中井さんと真田広之さん、柳沢慎吾さんの3人でコマーシャルに出演していただいている「つかえて安心」も、その一つで、お客様の認知機能や身体機能が低下した場合に備えて、あらかじめ設定しておいた代理人の方がご本人の代わりにスマートフォンのアプリでいつでも・どこでもお金を引き出せるようにするサービスです。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われていますが、当社では、こういった商品やサービスを提供することを通じて、超高齢社会で起こり得る問題に向かっていきたいと考えています。

中井:
CMの撮影中にも、3人で「これは便利だね」と話していたんですよ。万が一の時にお金が引き出せることだけでなく、「ちゃんと備えているんだ」という安心感が手に入れられるという意味でも、良いサービスだと思います。安心して暮らせることは、人間にとって何より大切なことですから。

長島:
そうですね当社がサステナビリティ活動に取り組むにあたってのキャッチフレーズを「安心・豊かな社会を創り出す信託銀行」としているのも、そのためです。中井さんご自身は、サステナビリティについて、どう考えていらっしゃいますか?

日本文化の結晶・時代劇を
次世代に遺したい

中井:
サステナビリティという言葉が適切かどうかはわからないのですが、自分の仕事に関して言うと、僕自身は時代劇を次世代に遺したいということを、皆さんにお伝えしています。すると、「中井さん、時代劇がお好きだから」と言われるんですけれども、実は僕自身はもともと時代劇がそんなに好きではありませんでした。というのも、時代劇の撮影は本当に大変だからです。特に気温が40℃近くになる夏場の撮影は、すごくつらい。最低でも準備に1時間かけてかつらをつけ、炎天下で演技をすると、すぐにかつらが解けてしまう。それを1回ずつ直しながら、1カットずつ積み重ねていくわけですから、肉体的にも精神的にも大変な撮影になります。でも、時代劇でしか表現できない日本の文化、たとえば日本人ならではの着物の着こなしや立ち居振る舞いの美しさや、日本人の美徳のようなものを、僕は「持続可能なもの」として、残していかなければならないと思っています。

長島:
素晴らしいですね。私も時代劇は大好きでよく見ていますが、時代劇でよく描かれる義理人情が大好きですし、外国の方に日本を知ってもらうのにも最適なコンテンツだと思います。それにしても、夏場の撮影はそんなに大変だったとは・・・。驚きました。

中井:
セットの中では、音の関係で冷房を使わないことも多いんです。一度、セットの中が50℃近くになったことがあって、のぼせそうになりながら芝居をしたこともありましたね(笑)。そういう大変さを乗り越えてでも、皆で力を合わせて良い作品を1つでも多く撮って、次の世代に時代劇を伝えていきたいと願っています。そう考えると、今ある大切なものを守って伝えていくことが、僕にとってのサステナビリティなのかもしれません。三菱UFJ信託銀行も長い歴史があるので、企業として守り、伝えていくべきことがありますよね?

長島:
はい、あります。信託という仕組みは、簡単に言うと第三者に財産の管理や処理を託すことなのですが、これはお客様と私たち受託者の間に信頼関係がないと成り立ちません。この信頼関係こそが、私たちにとって最も大切なアセット(資産)であり、確実に次世代に伝えていきたいと願っています。ただ、多様化する社会課題に対応するには、それだけでは不十分なので、デジタルの力を活用した新商品やサービスの開発など、時代のニーズに即した取り組みにも力を入れていきたいですね。社会課題は時代の変化に応じて、今後も変わっていくはずですから、サステナビリティ活動には「ゴール」はありません。企業が存続する限り、ずっと取り組んでいくべきミッションだと思っています。

持続可能な社会の基本は
「人づくり」

中井:
サステナビリティという言葉だけで、終わらないようにしなくてはいけないですよね。せっかく、社会に「持続可能な社会を作ろう」という意識が芽生えたのですから、1人ひとりが自分の生活をサステナブルなものにしていけたらいいなと思います。自分たちの住んでいるこの世界は、僕たちだけで完結するものではなくて、次の世代にバトンを渡して受け継いでいくものなんだと考えると、おのずと生活も変わってくるんじゃないでしょうか。たとえば僕は今、自分の土地を持っていますが、その土地は僕がいなくなった後は、誰か他の人のものになります。その人に、より良い形でバトンタッチできるようにしておくのが、僕の役割。どうやったら快適に過ごしてもらえるかな…と想像しながら木を植えたりしています。
あとは、当たり前のことですが、より良い社会をつくるには、家庭教育がすごく大切だと思っています。僕自身、早くに父を亡くしたのですが、祖母と母に「勉強なんてできなくてもいいから、良いことと悪いことの区別がわかるようになりなさい」、「人を傷つけるようなことをすると許さないよ」って口酸っぱく言われながら育ちました。当時はうるさいなと思っていましたが、今はあの教えが僕の道徳観・倫理観みたいなものを作ってくれたんだと思って、感謝しています。悲しい出来事や残念な事件が相次いで起きるのを見聞きするにつけ、大人が子どもに「人としてやってはいけないこと」をしっかり教えること、それができるように国がしっかり支援する仕組みを作っていくことも必要なんじゃないかなと思いますね。

長島:
人が社会を作るわけですから、結局は人づくり、教育が大切ということですね。今日、中井さんとお話させていただいて、伝統文化も家庭も、企業も持続していくためには、良いところを大切にして次の世代に伝えていくことが欠かせないのだということを再認識いたしました。これからも当行は事業を通じたサステナビリティ活動に全力で取り組み、「安心・豊かな社会」の実現を目指してまいります。中井さん、今日は貴重なお話をありがとうございました。

この対談は静嘉堂文庫美術館にて実施いたしました。2022年10月、静嘉堂文庫美術館は、世田谷岡本の地より、東京丸の内に「静嘉堂@丸の内」とういう愛称の展示ギャラリーを移設オープン。7つの国宝、84点の重要文化財を含む約6,500点の東洋古美術品を所蔵しています。本美術館のある明治生命館は1934年、竹中工務店の施工により竣工し、現在は重要文化財にも指定されています。
サステナビリティ対談 長島社長×中田英寿氏
スペシャルトーク