最良執行

有価証券の売買を行うにあたり、委託者の利益の最大化を図るべく行う執行をいう。受託者責任の1つとしてあげられている。必ずしも、執行コストの最小化を図ることだけを最良執行というわけではなく、運用スタイルによって最良執行の意味は異なることに注意を要する。
たとえば、パッシブ運用においてはベンチマークへの追随が目的となるため、執行コストの最小化が最良執行に資すると考えられる。一方、アクティブ運用においては、運用者がコスト以上の超過収益を獲得できると考える場合やポートフォリオのリスク管理を重視した場合、必ずしも執行コストの最小化にはこだわらず、スピード重視の執行を行うこともある。このような場合、執行コスト自体は大きくなることもあるが、ポートフォリオ全体としてパフォーマンスが向上していればよいことになる。
運用機関の執行コスト評価を行う際には、コストの低減といった定量的な面だけではなく、受託している資金の性質を理解したうえで執行しているか、体系的な執行体制が整っているか(売買執行体制、証券会社選定基準、コスト管理体制など)といった定性的な観点からも評価することが重要である。

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