SUSTAINABLE
ACTIONS

事業貢献・取り組み事例
[ サステナアクション ]

社会課題

長引く超低金利の中で、
資産を安全、確実に運用していくことが
難しくなっている。



THINK

THINK三菱UFJ信託銀行が
考えたこと

  • 信託銀行として培ってきた、金銭債権の流動化に関するノウハウを活かして、安全性に配慮しつつ、安定した収益が期待できる運用商品を開発する。
  • これまで法人向けだった運用商品を、小口化して個人向けに販売することで、個人のお客さまの運用の選択肢を増やす。
  • 金融機関・運用者の立場で脱炭素社会・サステナブル社会の実現に貢献するため、運用商品の販売を通じて、ESGやサステナビリティの考え方を世の中に広く知ってもらう。

ACTION三菱UFJ信託銀行が
実現すること

  • 元本の安全性に配慮した、安定した収益が期待できる運用商品=金銭信託の提供。
  • 個人のお客さまが購入できる新たな金銭信託を開発して、将来的にオンラインでの取引を実現。
  • 社会貢献につながる、SDGsやESGに関する運用商品の開発と、ESG投資に関するさまざまな情報の提供によるマーケットの育成。

DISCUSSING
SUSTAINABILITY

法人マーケット統括部 資産金融事業室/仲井 祐子

法人マーケット統括部
 資産金融事業室
仲井 祐子

It’s my サステナ活動
日々の生活で地産地消を意識しています
金融商品開発部 企画・ソーシンググループ/田中 雄祐

金融商品開発部
 企画・ソーシンググループ
田中 雄祐

It’s my サステナ活動
自宅に太陽光発電を取り入れる

運用商品の開発・提供を通じて、
サステナビリティに貢献する

「低金利が長期化する中、信託銀行にできること」

田中/我々のチームが担当しているお客さまは、地方銀行、信用金庫、信用組合や農業協同組合がメインとなっています。さらに学校法人や財団法人などの非営利法人も我々のお客さまですが、どのお客さまも低金利で運用に悩んでいます。

仲井/個人のお客さまも、低金利で預金が増えずに困っているという方が多いと思いますが、低金利で収益が圧迫されているのは、実は金融機関も同じですよね。

田中/そういった地域金融機関に対して、安全性に配慮した、安定した収益が期待できる運用商品を提供していくことが、我々の役割だと思っています。地域経済のカギを握る地域金融機関の収益に貢献することは、最終的には、地域経済の活性化につながるのではないかなと思いますので、地域のサステナビリティという観点からも、非常に意義のある仕事だと感じています。

仲井/資産金融事業でお客さまに提供している商品は、基本的に「金銭信託」という形態になります。本商品は、組み入れる信託財産の種類によって、リスクやリターン、期間などの条件が変わります。どういう商品がお客さまのニーズに合うか、日々検討を行っています。

田中/元本を毀損しないことに配慮しながら、安定的な利回りを確保する観点から、具体的に何を信託財産に組み入れるのか、という話ですが、今は貸出債権が多いですね。三菱UFJ銀行が保有している、さまざまな企業に対する貸出債権を対象とするパターンがいちばん多いです。この場合、三菱UFJ銀行からみると、その貸出債権を譲渡するという形になって、その分、銀行が貸し出せる枠が広がることになるので、MUFGグループ全体としても貸出を最大化し、資金を必要とする、より多くのお客さまにお応えできるというメリットもあります。

仲井/これまでは、金融機関や非営利法人等のお客さまに対する商品提供が中心でしたが、今後は、個人のお客さまにも同じように幅広い商品ラインナップをご提供できたらと考えています。販売方法も、これまでの支店の対面窓口に加えて、将来的にはオンラインでの取引もできるようになったらいいなと考えています。

田中/法人の場合、投資額が10億円単位、規模が大きいと100億円単位になりますよね。個人向けの場合は、どれくらいになるイメージですか。

仲井/現在個人向けに販売している金銭信託は、100万円からご購入いただくことができますが、お客さまのご購入金額を平均すると数百万円になります。最近では、投資信託もインターネットで1万円など少額から取り組めるものもありますので、より少額でもご購入いただけるようにすることは、今後検討していきたい思っています。ただし、小口化する上でカギとなるのが管理コストの削減です。当社ではブロックチェーンの技術を使って管理コストを低減し、投資商品を小口化する仕組みにつなげるプラットフォーム基盤「Progmat」をリリースしました。将来的には、Progmatの活用も含めて、より多くのお客さまに投資いただける機会をご提供することで、超低金利という社会課題の解決に貢献できたらと思っています。

「金銭信託の活用で、広がる可能性」

田中 仲井

田中/個人向けの金銭信託は、株や投資信託に比べると、馴染みのない運用商品だと思いますが、商品としての強み、差別化ポイントってどんなところになりそうですか。

仲井/たとえば株や投資信託は、一般に値動きがあり、リスクの高い商品であると認識されているお客さまも多いと思います。一方、当社で現在取り扱っている金銭信託は、値動きのない低リスク資産で運用し、安定的に収益が確保できるタイプの商品です。このため私たちの商品は、投資未経験のお客さまや安定志向のお客さまにとって、投資をご検討いただける良い機会となるのではないかと考えています。私たちが提供している商品は、信託財産に組み入れる運用資産が、たとえば最上位格付けのAAAであって、安全・安心であることがすぐにわかる点が大きな特徴です。さきほど田中さんがご説明されていた、運用資産が三菱UFJ銀行の貸出債権の場合であれば、債務者である企業が倒産せずに借入金を弁済する限りは、元本が損なわれることがなく、社債と同様に、債務者である企業の信用力が商品のリスクである点がわかりやすいと言えそうです。

田中/なるほど。信託銀行として、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を守りながら、なるべくお客さまに対してわかりやすいものを提供していくことが、商品開発を進めるうえで差別化のポイントになりそうですね。

仲井/投資家の皆さまから見て、運用資産の透明性が確保されていること、また運用商品の安全性と収益性とのバランスが取れているかどうかという点が重要だと考えています。

「商品化を通じて、サステナビリティを実現していく」

田中 仲井

仲井/今後の展開ですが、社会貢献につながる商品も検討していきたいと思っています。たとえば、SDGsの目的達成に取り組む企業活動を支援するような貸出債権を運用資産に組み入れて、社会的意義のある運用商品を作っていくことも検討していければいいなと考えています。

田中/そういう商品がどんどん出てくるのは、社会にとって良いことだと思いますが、お客さまにご理解いただくには時間がかかると感じています。例えば、ESG投資が話題になっている認識はあっても、どれくらいの金額や投資割合で取り組むのか、もっと言うとESGの取り組み自体をどう評価するのか、という課題を整理するには、少し時間がかかりそうです。

仲井/そうですね。一方で、生命保険会社をはじめとする機関投資家の場合、一定の割合をESG投資に向ける方針があるなど、ESG投資に関連する商品を求められるケースもあります。サステナビリティについては、MUFGの掲げる大きなビジョンでもあるので、私たち自身が、もっと世の中に広めていく活動をしていく必要があると感じています。

田中/私としては、トランジション・ファイナンス、つまり、産業界が脱炭素化に移行していくための資金供給ですが、これを対象にした商品開発を、数年かけてやっていく必要があると考えています。それを実現するためにも、投資家の皆さまにESG投資の取り組みを浸透させていくことが重要となってきますよね。評価方法がわからないとか、定量的に判断できない部分がある、というお客さまに、なるべく多くの情報を提供していくことが、我々の使命ではないかと思っています。

聞き手/執筆 伊田 光寛
(ブランドコミュニケーションデザイナー)

2021年7月20日現在