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リーダーズボイス

LEADERS VOICES

法人のお客さまに

向けてのサステナ活動について

執行役員 法人マーケット副部門長
小関 憲一

企業が社会と共存しながら、
持続的に成長していく未来の実現を目指して、経営課題解決に資する
最良のコンサルティング&ソリューションを提供していきます。

三菱UFJ信託銀行のサステナ活動は、社会課題を解決していくことで、「安心・豊かな社会」を創ることをテーマに掲げています。法人のお客さまに向けた領域では、どのような社会課題がテーマになるのでしょうか。
法人のお客さまに向けた領域において、主に解決に取り組みたい社会課題は「お取引先企業の持続的な成長サポートによる中長期的企業価値向上を通じた日本経済発展への貢献」それから「社会インフラの整備」であると考えています。

ひとつめの「お取引先企業の成長サポートを通じた日本経済発展への貢献」についてESGそれぞれの観点から申し上げると、まずは「G」、すなわちお客さまのコーポレートガバナンス強化へのサポートに取り組んでいます。当社は、証券代行事業を通じて、取締役会の実効性向上や委託先である法人のお客さまとESG投資家、個人等、様々な株主さま等との多様化するエンゲージメントニーズへの対応、相互理解を深めるお手伝いをしています。

また、ESGの「S」では、人的資本経営を実践する上で重要な従業員エンゲージメント向上の為のフィナンシャルウェルビーイングにも繋がる企業年金制度の運営をサポートする業務があります。年金制度はお取引先企業で働く従業員おひとりおひとりの老後を支える制度であり、その充実が安心して働ける社会を創り、お取引先企業の持続的成長にも繋がります。また、確定拠出年金(DC)では社員の方々自ら運用することとなるため、金融・投資に関する教育のサポートも重要です。
さらに、信託の仕組みを使った資金調達の支援として、ESGの「E」に積極的に取り組む企業やプロジェクトに対する貸出債権などを運用商品化し、法人個人双方の投資家の方々にご購入いただくことで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する投資機会を提供していくことにも取り組んでいます。

ふたつめの「社会インフラの整備」では、不動産事業を通じて、社会とその持続的発展を支える基盤づくりの役に立てるのではないかと考えています。
特にアフターコロナでの健康経営やダイバーシティへの取り組みが加速しており、社員それぞれのライフステージに応じて柔軟な勤務形態を提供しながら、オフィス出勤時には部署に捉われないコミュニケーションの活性化やアイデア創出を促す環境を作り、生産性向上も目指すオフィスの見直しをサポートしています。
こうした変化の中で不動産を投資対象として保有したいお客さまと利用したいお客さまを結びつける、すなわち資産の組み替えや新たな不動産の活用方法を提案していくことが、サステナブルな社会インフラの整備にもつながると考えています。

重要課題

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事業を通じて解決していく
社会課題とアクション

社会課題解決への取り組みを通じて持続的な企業価値向上を目指すお取引先企業の経営課題に対して、プロフェッショナル集団として最良のコンサルティング&ソリューションを提供すること。
コーポレートガバナンスのお話がありましたが、信託銀行として具体的にどのようなサービスを提供してガバナンスをリードしていくのでしょうか。
証券代行業務を委託されている企業を中心に、コーポレートガバナンス改革の実践と開示に関するコンサルティングサービスを提供しています。三菱UFJ信託銀行の証券代行事業には、上場企業1,600社強、約3,300万名義の管理株主という大きなお客さまとの接点があることが強みです。

コーポレートガバナンス強化というと、不正会計や不祥事の改善に向けた規制対応や法令等遵守といった「守り」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際のガバナンスは、攻めの戦略と守りのリスク管理等を一体で強化していくべきものであり、たとえば、多様な社外取締役を入れて、取締役会を活性化し、積極かつ多面的な事業展開を検討できるようにする、統合報告書の作成などESGへの取り組みを内外に開示することで、海外からの投資を増やし、更なる事業拡大を目指すというものです。

こうした取り組みをお客さまと一緒に積み重ね、多数の事例を発信し、実務のサポートも行うことで、多数のお客さまが、企業価値向上、社会との共存、持続的成長を実現していくこと、それがサステナ活動の成果と言えるのではないでしょうか。
コンサルティングサービスに加えて、企業と株主の対話(エンゲージメント)のデジタル化も進めていらっしゃいますよね。
この領域については、これからもさらにオンライン化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいく領域だと考えています。これまでは、対面型のエンゲージメント中心でしたが、株主総会プロセス全般のデジタル化・DXによる株主さまとのエンゲージメント・対話の充実をサポートしていきます。

具体的には、事業報告や議案説明動画の事前配信、インターネットでの議決権行使、バーチャル総会の開催および総会動画のライブ配信とオンデマンド配信などですが、この株主総会プロセスのDXを実現する当社独自のプラットフォームサービスとして、エンゲージメントポータル(EGP)をご提供しています。

コロナ禍での特殊事情がデジタル化を加速しましたが、このDXにより、多くの株主さまが株主総会プロセスに関与することが可能となり、市場への個人資産等の資金供給促進という社会的な要請にも貢献する大きな意味のあるものだと考えています。
発行体と株主とのエンゲージメント・対話の充実を提案
こうしたサステナ活動を意識した新しい取り組みを推進していくにあたり、マネジメントとしてはどのように組織を動かしていくのでしょうか。
法人マーケット部門では、スタートアップ企業への投資等を通じた法人のお客さまとの共創による新規事業創出、事業領域拡大にもチャレンジしています。具体的には、グリーントランスフォーメーション(GX)の進展に役立つ技術、サービスを提供するスタートアップ企業と地方創生を目指す地方自治体・地方銀行との共同出資などですが、本部に専担部署を設置し、異業種での新規事業開発経験者を中心にキャリア採用した多様性のある陣容で取り組んでいます。ジョブチャレンジ、社内副業制度で自ら手を挙げて新規事業に挑戦するメンバーも積極的に募集しています。

一方で、サステナ活動を推進していく上での課題は、今取り組んでいる仕事が、社会課題の解決とどのように結びついているのか、社員一人ひとりには見えづらい点をいかに解消していくかだと考えています。

当社全体で、各部門の事業活動と社会課題とのつながり・社会課題解決に向けた道筋を見える化し、社会にもたらすインパクトを測定するKPIを現場視点も入れて設定しました。私は、社員ひとりひとりが社会課題解決に貢献する担い手であると実感できるよう、自己実現の機会を提供すること、自由に意見交換出来る環境や、成功を賞賛し、失敗から学ぶカルチャーを創っていくことが、マネジメントとして取り組むべきサステナ活動だと思っています。
最後にサステナ活動のゴールイメージについて教えてください。
そうですね。まずは、社員ひとりひとりが自分の仕事と社会課題解決の結びつきを実感できる状態になっていること。その上で、事業活動を通じて、社会やお客さまの課題解決をコンサルティング&ソリューションによりサポートすることで日本の経済活動に大きなインパクトをもたらすこと、そのことによって、MUFG・当社の持続的成長と社員一人ひとりの自己成長を実現すること、そんなゴールイメージを達成していきたいと思っています。
例えば、不動産ビジネスの観点では、日本全体のCO2排出量の1/3を占める不動産分野において、環境負荷の小さい不動産ストックおよび投資マーケットの形成に貢献していきたいと考えています。また、資産金融ビジネスの観点では、企業の気候変動対応に必要な資金を供給する仕組みの拡大に取り組んでおり、本邦初のグリーンファイナンス認証付き個人向け金銭信託は、その一つです。もっとも重要なことは、わたしたち信託銀行のサステナ活動は、自社の取り組みに留まらず、企業を変え、社会を変え、未来を変えるインパクトをもたらすことができるということです。ひとりひとりが自分たちの仕事を通じて、社会の変化を実感でき、そのことがお客さまからも評価されることがゴールだと思っています。

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