認知症について
認知症とは
認知症とは、様々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。
認知症を発症すると、目にしたことや聞いたことを思い出せなくなるだけでなく、日付や季節、自分のいる場所等が把握できなくなり、また、ものごとを考えたり、判断したりすることも困難になり、その結果、自ら計画を立てて、段取り良く物事を進めることができなくなってしまうと言われています。
認知症の現状と将来推計
世界保健機関(WHO)が発表した報告書によれば、世界の認知症有病数は現在、およそ3,560万人に上ります。そして、2030年までに2倍の6,570万人、2050年までに3倍の1億1,540万人に増えると予測されているのです。
では、我々の住む日本はどうでしょうか。実際にどのくらいの人が認知症を発症していて、将来はどの程度の人が認知症を発症すると予想されているかを表したのが下のグラフです。
65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
日本における認知症の人の将来推計
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各年齢の認知症有病率が上昇する場合の将来推計
出典:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)〜認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜の概要(厚生労働省)を基に当社作成
また、高齢になるにつれ、認知症の割合は増加するとも予想されています。85歳以上では、55%以上の方が認知症になるともいわれ、今は大丈夫であっても、将来は適切な判断ができなくなるかもしれません。
認知症にかかっている方の割合(年齢別)
出典:「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業)より算出
もの忘れと認知症の違い
もの忘れには、病的ではないものと病的なものに分けられます。前者は、老化により、記憶力が低下することを指しますが、必ずしも病気ということではありません。一方、後者は、生活するうえで支障が出ている状態の病気(認知症)のことです。
例えば、もの忘れの場合は、「誰に電話したのか」というように体験したことの一部を忘れてしまうことですが、認知症の場合は、「電話した」という体験そのものを忘れてしまうことになります。
病的ではないもの忘れ
病的なもの忘れ(認知症)
出典:認知症ケア指導管理士試験(初級)公式テキスト(平成28年6月30日時点)
老化によるもの忘れ | 病的なもの忘れ(認知症) |
---|---|
電話で話していた相手を思い出せない |
電話していたこと自体を忘れている |
旅行に行った場所を思い出せない |
旅行に行ったこと自体を忘れている |
入金した金額を忘れてしまった |
入金したこと自体を忘れている |
認知症の種類
一言で認知症といっても、その種類はいくつかに分かれます。原因は明らかではないものの、異常なタンパクが脳内に蓄積して神経細胞が壊れていく「変性性認知症」、脳梗塞や脳出血によって神経細胞が壊される「血管性認知症」、感染症等による「その他の認知症」、あるいは「変性性認知症」と「血管性認知症」が合併したものもあります。
このような認知症の中でも、最も発症数が多いとされるのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は、脳に異常なたんぱく質が溜まり、正常な神経細胞が破壊された結果、発症するものと言われています。代表的な症状としては、記憶障害に加えて意欲の低下や怒りっぽさがあげられます。
アルツハイマー型認知症に次いで、発症数が多いとされているのが脳梗塞や脳出血等の血管性認知症です。血管性認知症は、脳の血管が出血したり、詰まったりするなどして、脳の細胞に酸素が送られなくなった結果、神経細胞が死んでしまうことにより、発症するものです。代表的な症状としては、記憶障害や計算力の低下があげられます。
病気についての詳細は、各種専門機関までお問い合わせください。
認知症特有の症状
認知症を発症すると、記憶障害により、過去の記憶が失われていくと言われています。また、頭の中で物事の計画を立てて、それを実行に移すことも困難になるとも言われています。目にしたことや聞いたことを思い出せなくなるだけでなく、日付や季節、自分のいる場所等が把握できなくなることがあるようです。さらに、ものごとを考えたり、判断したりすることも困難になり、その結果、自ら計画を立てて、段取り良く物事を進めることができなくなってしまうと言われています。
軽度認知障害(MCI)について
認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行等)に問題が生じているが、日常生活に支障がなく、認知症ではありませんが、認知症になりやすい状態を軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)と呼びます。
イメージとしては、健常な人の脳機能の状態を@とすると、脳機能が徐々に低下し、日常生活の機能に支障を伴い、認知症と診断されるAの状態の領域(濃いオレンジ色の部分)になります。
この軽度認知障害を放置しても、元の状態に戻ったり、認知機能の程度が一定程度の低下した状態で留まるなど、認知症までは進行しないこともあれば、認知症へ進行することもあると言われています。ただし、適切な対策によって、認知症の進行を遅らせたり、認知症の発症を防げるケースもあるようです。