遺言活用術

遺言書に記載する付言事項の事例紹介

遺言に記載する付言事項の文例をご紹介するページです。妻に多くの財産を遺す場合、同居の家族に多く相続させる場合などの文例について記載しています。遺言書の作成を考えている方におすすめのページです。

例)「妻に多くの財産を相続させる」

妻に多くの財産を相続させる イメージ

遺言者である私、○○○○は、少なくとも妻○○○、子どもたちの理解もあり平穏な生活を送ってきましたが、高齢にもなり私亡き後を真剣に考えた結果、今後も妻○○○が何不自由なく平穏無事に生活出来る事を願って遺言を遺すこととしました。

私の家族においては、私亡き後相続争いは起きることは無いと確信はしていますが、財産分けを明確にしておくことが親の努めと思います。子どもたち全員は私の意思を十分くみ取り、今後は母を助けそれぞれ家庭を大切にし、充実した人生を送ることを願っています。

例)「同居の家族に多く相続させる」

同居の家族に多く相続させる イメージ

私は、結婚して50年間の永きにわたり、人生を共にしてきた妻○○が、私亡き後も安定した生活が送れることを願って遺言するものです。また長男○○に相続財産を多くしたのは、妻と同居していることもあり、私亡き後もよき話相手となり家族仲良く生活することを願っているからです。

例)「(子どもがいないケース)夫婦相互遺言」

夫婦相互遺言 イメージ

遺言者である私○○○○は、子どもに恵まれず妻と二人だけで永年にわたり苦楽を共にしてきましたが、高齢にもなったので、今後のことを考慮した結果、最後まで尽くしてくれた妻○○がいつまでも平穏無事な生活を送れるよう願って遺言した次第です。
なお、妹〇〇には何も贈らず大変申し訳ないが、私の意図するところをぜひ理解してくれるようお願いします。

例)「父の教え」

父の教え イメージ

私の人生の晩年は子どもたち全員がよく判っているとおり、母さんと交互に入退院の繰り返しでした。皆がそのたびに力を合わせ看病に、生活の面倒にと頑張ってくれたことに感謝しています。
また、友人の皆さんから素晴しい子どもさんに成長し、親孝行なお子さまですねと言われるたびに嬉しく、親として立派に成長してくれたことに幸せを感じていました。ありがとう。

長男○○にお願いがあります。先に述べたとおり、晩年は近隣の皆さま、友人・親族に大変な迷惑をかけています。このご厚情に感謝しつつ良きお付き合いをお願いします。
少ない財産ですが、極力平等に財産分けすることとしました。子どもたち全員が私の宝です。どうか今までどおり仲良くし母を助け協力をお願いします。

家族・家の中心になる長男○○に次の言葉を遺します。常日頃から話しをしていた内容です。それが私の一番大切な遺言です。心に留めておいてほしい願いです。
人生は自分一人のためにあるのではない、自分が努力し、家庭が円満であれば、妹○○の家族も円満になる。親戚、友人が集まってくる。
自分の家が発展繁栄すれば妹の家族、親族も発展繁栄する。○○家一族の発展のために自分が何をし、何をすべきかよく考え行動すること。悪いことをすれば、家族、親族の全部が悪くなる。特段の注意をお願いします。また、親戚筋にはいかなる場合でも不義理してはならない、反対給付を期待してはならない、それが良い付き合いになる秘訣です。

例) 「遺言作成の思い・心情」

遺言作成の思い・心情 イメージ

遺言者である私○○○○は、遺言書の作成にあたり、心情を遺しておきます。

まだ、年齢的には、若いと思いますが、自分の寿命を決めることはできないことですし、また、何時その時が来るか予想ができないので、私の家族に対する責任と考え、遺言を作成することにしました。

私にとって、一番大切なのは家族です。自分に万一があった場合、妻や子供たちが途方にくれることの無いように、また、私の財産の配分等において、親族他から意見・無理難題を持ち込まれるか判りませんので、自分の意思を明確にしておくことが愛する家族のためになると考えました。

何時の日か子どもたちが心身ともに成長し、この遺言の内容の変更ができる日を楽しみに家族全員を守り日々充実した人生を堅く誓い、ここに自分の心情を述べておきます。

例) 「事業継承」

事業継承 イメージ

私は、亡き父から事業を引き継ぎ、今日まで遮二無二働いてきましたが、高齢にもなり体力が衰えたことを最近痛感しています。これからも事業発展のため、尽力するつもりですが、私の万一のことを考慮した結果、私と共に苦楽をともにした妻の生活を第一に、そして子どもたちのことを考え遺言を遺すことにしました。皆の生活基盤の充実を図るためにはどうしても会社経営について考える必要があります。

亡き父から事業を引き継ぎ、まがりなりにも事業は拡大できたと自負しています。

幸いにも○○が事業に参画し、従業員、お得意さまに信任も厚く安心して事業を引き継ぐことができます。一言述べるのであれば、会社経営は自分だけの問題ではなく、従業員には家庭があり、お得意様にも家庭がある。まして○○には自分の家庭を又○○家を守る責務があります。それには会社の発展がどうしても必要となります。どうか思慮深い経営者となることを期待しています。

○○、○○には財産分けが少なくなりましたが、先に述べたとおり、妻である○○の生活のこと、会社経営するためにはそれなりの資産の裏付けが必要なこと、ましてや、代々続いている○○家は今後とも未来永劫に発展していかなくてはならないこと等を勘案すると資産を分散させる訳にはいかないのです。どうか理解をお願いします。○○は以上のことを理解し、○○を大事にし、○○、○○と仲良くし、今後の援助をお願いします。妻の○○は影に日向に本当に良き理解者でした、ありがとうの言葉を遺します。