遺言

独身なので、自分の財産は甥と姪に遺したいと考えています。

ご相談者:男性(77歳)

質問内容

自分は独身なので、将来自分に万一のことがあった場合は、兄弟に財産が相続されることになると聞きました。ただ、今後私の面倒を見てもらうことになっている甥と姪がいますので、その2人にできれば遺したいと考えています。
兄弟とは、親の死後20年近く疎遠なこともあり、財産の配分は考えていません。ただ、相続に際して遺留分というものがあると聞いたので、どうしたらいいかと悩んでいます。

登場人物の家系図登場人物の家系図

[登場人物]
ご相談者:男性(77歳)
兄・弟:疎遠
甥・姪:世話になっており、将来もその予定

相続のワンポイントアドバイス

  • 相続人が兄弟姉妹のみの場合は、遺留分はありません。
  • お世話になった方やお世話になる予定の方に相続で財産を渡す場合は遺言書を活用しましょう。

遺留分の適用範囲

ご質問いただいている遺留分については、皆さまから「遺留分があるから、すべての相続人にその分を渡す必要があるのか」との質問をよく受けます。遺留分の適用範囲は、配偶者、子ども、親、祖父母です。子どもが先に亡くなっている場合は、孫となります。配偶者、子、親がなく、法定相続人が兄弟姉妹のみの相続では、遺留分はありません。そのため今回のご相談の場合は、遺留分を気にせずに配分を考えていただけます。

遺言書の作成が望ましい理由

お世話になっている甥子さまと姪子さまがいらっしゃるとのことですので、その方たちに財産を渡そうとする場合には、遺言書を活用することをおすすめします。理由は次の4点です。

理由1 兄弟や甥姪は、ご相談者さまの財産内容が分からないと思いますので、遺言書の中に所有財産を示すことによりスムーズな相続手続きを行うことができます。
理由2 遺言書が無い場合には、他の相続人も交えて遺産分割協議を行う必要があり、必ずしもご相談者さまのお考えの通りにはならない可能性があります。
理由3 兄弟姉妹は、自分と年齢が近いことから、誰かが亡くなった場合、亡くなった兄弟姉妹の子が代襲相続人となるため、相続人の数が多くなり、話しがまとまりにくくなる可能性があります。
理由4 甥子さま・姪子さまに相続手続きの負担が生じます。甥子さま・姪子さまがお仕事等でお忙しくしている場合、相続手続きを進めるのが難しい場合も考えられます。

特に相続税申告・納付が必要な場合には、相続開始から10ヵ月以内にその手続きが必要です。

配分に関する留意点

以上の理由から遺言書の活用が有効ですが、遺言書を検討する際は、財産をどのように配分するかをよく考える必要があります。例えば、現在の自宅はどのようにするか。相続後も甥子さまか姪子さまのどちらかがそのまま使用するか、相続後、売却等も考えるかなどです。現預金のように配分しやすい財産と、不動産や自社株式のように単純には配分しにくい財産がありますので、今後のご自分の人生設計なども含めよく考えながら、甥子さまや姪子さまと相談してみるのも良いと思います。

遺言書の作成には、知識や経験が必要になります。ご不明な点などございましたら、三菱UFJ信託銀行へお気軽にご相談ください。

  • 2020年7月10日現在の法令・税制等に基づいて作成しております。法令・税制は今後変更になる可能性がありますのでご注意ください。詳細および具体的な取扱いについては弁護士、税理士などの専門家にご確認ください。
  • 本コンテンツは一般的な知識を説明したものであり、特定の商品などの勧誘を目的とするものではありません。
  • なるべくわかりやすくするため、大幅に省略・簡略化した表現としています。
  • 事例はさまざまな事例を参考にして新たに創作したものであり、実際のものとは異なります。
  • 個別的な事情が異なると結論も異なることとなります。個別具体的な案件や法令・税制等の適用については、弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。