遺言

認知機能が低下してきた妻に配慮する場合、遺言書の作成は必要ですか?

ご相談者:男性(70歳)

質問内容

相続を考えるうえで一番心配なのが、認知症の症状が出始めた妻のことです。

子どもたちもサポートしてくれると思いますが、現役世代で忙しいですし、万が一に備えて遺言書を作成しておいた方がいいものでしょうか。また、遺言書を作るにあたり、気を付けることはありますか。

登場人物の家系図登場人物の家系図

[登場人物]
ご相談者:男性(夫・70歳)
妻:認知症の症状が出始めている
長男:会社員・多忙
長女:会社員・多忙

ワンポイントアドバイス

  • 認知機能が低下してきた相続人がいる場合には、遺産分割協議などの法律行為に制限が生じるため、遺言書の作成を検討しましょう。
  • 遺言書に遺言執行者を記載することで、遺産分割協議に比べて、ご相続人さまの負担は格段に低くなります。

配偶者さまに認知症の症状が出始めたとのこと。介護をなさるご主人さまも含めて、どうかご自愛ください。

認知症の方は、認知機能の状態により法律行為に制限が生じるため、成年後見人等の代理人を選任する必要があります。この点も踏まえ、ご相続人さまに認知症の方がいる場合は、遺言書の作成を検討頂いた方がよいかと思います。主な理由は2点あります。

1点目は、遺言書を遺さずにご主人さまが亡くなられた場合、遺されたご相続人さまの間で遺産をどのように相続するか話し合う(遺産分割協議)必要があることから、配偶者さまの代理人となる成年後見人を専任し、配偶者さまの代わりに遺産分割協議などの法律行為をしてもらう必要があります。また、成年後見人が相続人などの利害関係者である場合は、併せて特別代理人を立てる必要があります。

2点目は、遺言書に遺言執行者を記載することで、認知症の配偶者さまに代わり、遺言執行者が遺言書による相続手続きを行うことができます。ただし、この場合であっても相続財産を受け取る意思確認などが必要なことから、一部成年後見人などの代理人に手続きを依頼することになりますが、遺産分割協議に比べて、ご相続人さまの負担は格段に低くなります。

ご相談者さまのケースですと、遺言書を作成するポイントは、必ず遺言執行者を指定し、認知症の配偶者さまが相続手続きでお困りにならないようにすることや、配偶者さまには現預金などの財産管理が容易な財産を承継することなどがあげられます。

ご不明な点がございましたら、三菱UFJ信託銀行へお気軽にご相談ください。

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